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時間感覚でリハビリ パーキンソン病が改善

2021.7.6 0:00
 神経変性疾患のパーキンソン病患者に10秒の長さをできるだけ正しく見積もるトレーニングを毎日続けてもらうと、低下していたさまざまな認知機能が一時的に改善したとする臨床研究の結果を、昭和大の本間元康講師(認知科学)と小野賢二郎教授(脳神経内科学)のチームがまとめた。
 
 

 これまでの研究で、パーキンソン病の患者は健康な人に比べて時間が早く経過したように感じる傾向があることが示されている。本間さんは「時間感覚の違いが周囲の物事に対する状況判断に影響を与えている可能性がある。新たなリハビリ手法に応用できるかもしれない」と話している。

 チームは患者60人と健康な20人で臨床研究。ストップウオッチをいったん作動させた後で、表示画面を見ずに10秒たつのを待ち、ここだと思った瞬間で止める練習を1カ月間毎日続けてもらい、認知機能の改善効果を分析した。
 するとトレーニングした患者は、音の変化に応じてパソコンのキー操作を制御するテストや、画面に表示される文字の形や色を正しく判断するテストで以前より高い成績を上げた。ただトレーニングをやめて1カ月たつと効果が薄れて元に戻ることも分かった。
 パーキンソン病は脳の神経細胞が減って体が震えたり動作が遅くなったりするほか、認知機能が低下して日常生活に影響することもある。本間さんは「時間感覚に関わる脳の領域と、運動機能や認知機能に関わる領域が重なっている可能性がある」とみている。
 研究結果は国際学術誌「ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス・リサーチ」に発表した。

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