低栄養予防のパンフ作成 高齢者が自身で点検を

同研究所「自立促進と精神保健研究チーム」の本川佳子研究員、平野浩彦研究部長らは2019~20年度、会食を伴う高齢者の「通いの場」の実態と参加者の栄養状態を調査した。
その結果、高齢者が集まる場では、保健師、管理栄養士らが関与したときは栄養状態や摂食機能に応じた配慮がなされる半面、そのように専門職が関わっている通いの場が全体の約半数にとどまっていることが分かった。同時に、客観的には摂食機能が低下しているのに、高齢者自身にその認識がないケースがあることも判明。高齢者が自分で評価できるパンフを作成した。パンフには栄養状態などを把握するためのチェックリストと、そのリスクや改善策についての解説を掲載。インターネットで公開している。
基本の質問は「1日3食きちんと食べているか」「6カ月間で2~3キロの体重減があったか」「半年前に比べてさきいかやたくあんなど硬いものが食べにくくなったか」「お茶や汁物でむせることがあるか」の4項目で、そのほかに、多様な食品を取っているかや体格指数(BMI)、かむことやのみ込みの機能もチェックできる。
研究グループは「口腔(こうくう)機能の低下や低栄養について、高齢者に“自分ごと化”してもらうことが必要だ」として活用を呼び掛けている。