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医療新世紀

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菌共生の蚊でデング熱予防 インドネシアで77%効果

2021.9.14 0:00
 ネッタイシマカなどの蚊が媒介するデング熱は、発展途上国を中心に年間数千万人の健康を脅かすやっかいな感染症だ。オーストラリアのモナシュ大の研究チームは、蚊の体内に共生する「ボルバキア」という細菌の働きを利用して、インドネシアで住民のデング熱感染を77%予防することに成功した。同じように蚊が媒介するジカ熱や黄熱病などの予防に応用できる可能性もある。
デング熱などの感染症を媒介するネッタイシマカ(米疾病対策センター提供)
デング熱などの感染症を媒介するネッタイシマカ(米疾病対策センター提供)

 

 自然界に存在するボルバキアは昆虫の臓器などにすみ着いて繁殖に影響を与える。蚊に共生するとデング熱の原因となるデングウイルスを運びにくくなることが知られている。
 チームは2017年からジョクジャカルタ市内の24地域で屋外試験を実施。半数の地域にボルバキアを共生させた蚊の卵を放って繁殖させ、放っていない地域と住民のデング熱症例を比較した。
 放った地域ではボルバキア共生蚊の比率が高まり、1年後に蚊の大多数を占めるようになった。住民約8千人を20年までに分析すると、放っていない地域ではデング熱に感染した人の割合が9・4%に達したが、放った地域では2・3%と目立って低かった。重症化して入院が必要になった人も大幅に少なかった。
 チームはこの手法によるデング熱の予防効果を77%と推計。重症化を防ぐ効果も86%と結論付けた。共生蚊は地域に定着して予防効果が長続きすることも判明。現在はジョクジャカルタ全域に共生蚊が放たれ、長年悩まされてきたデング熱の克服に向けた期待が高まっている。
 研究結果は米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに発表した。

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