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医療新世紀

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ネットでフレイル防止 高齢者の交流の場にも コロナ対策から新常識へ

2021.4.28 0:00
 高齢者の心身が衰える「フレイル(虚弱)」防止の取り組みを地域で安全に再開できないか―。東京大・高齢社会総合研究機構のチームは、新型コロナウイルスの感染リスクを避け、お年寄りがネットで交流しながら健康づくりできるオンライン型「フレイルチェック」のシステムを開発している。
 公民館などに実際に集まる対面型とうまく組み合わせて利用する狙い。東京都西東京市や文京区など一部の地域で今年から試験運用を始める。同機構長の飯島勝矢教授は「孤立しがちな高齢者の社会参加の場にもなる。コロナ後のフレイル防止の新たな常識にしたい」と話す。
 ▽11項目
 飯島さんらは全国70以上の自治体と連携し、地域ぐるみのフレイルチェックを推進してきた。食事や運動、社会参加に関する11項目の質問に答えてもらい、筋肉量などを測定して身体機能を向上させるための生活改善を促す。集まって語り合うことで孤立防止にもつながる。活動の中心となる「フレイルサポーター」の役割も高齢者が担う。
 ところがコロナ流行で多くの自治体が活動を中止。高齢者の外出が減って「コロナフレイル」の懸念が高まった。
 もともと家に閉じこもりがちな人は要介護の一歩手前の状態に陥りやすい。運動不足と食事を抜くことが重なって筋肉が減り、歩くのもおぼつかなくなる。誰とも話さないと心の健康も損なう。
 コロナ流行で高齢者の心身状態が悪化したとのデータは増えている。東大の孫輔卿(ソンボーキョン)特任講師によると、昨年の緊急事態宣言の前後で筋肉量や握力、滑舌機能が低下した人が増加していた。社会性が低い人ほどこの傾向が強いことも分かった。
 
 

 

 ▽簡単操作
 そこで東大チームが開発を始めたのがオンライン型フレイルチェックのシステムだ。タブレット端末に搭載した専用アプリを使って自宅で健康状態を確かめる。ネットの会議室で引率役のサポーターが参加者に話しかけながら、必要な項目をチェックする。対面型では紙のシートに青と赤のシールを貼りながらチェックを進めるが、シール貼りと似た感覚で画面にタッチしながら簡単に操作できるよう工夫した。
 開発には西東京市、文京区の関係者や地域のサポーターも参加。チェックの手順やアプリの使い勝手を確かめた。同市高齢者支援課の徳丸剛さんは「最初は画面越しの集まりに戸惑う人もいたが、すぐに慣れてみんな使えるようになった。今ではサポーターがネットでお茶会を開くなど新たな交流手段になっている」と話す。
 ▽ハイブリッド
 国内のコロナ流行はまだまだ長期化しそうだ。進まないワクチン接種に加えて変異ウイルスの増加が懸念材料。対面型の集まりを全面再開するのは都市部では難しい。
 「今こそオンラインと対面を組み合わせたハイブリッド方式が有効だ」と飯島さん。流行の状況を見ながら半年に一度、対面型の集まりを開く。マスク着用や互いに距離を取るなど十分な対策を講じる。その間の健康状態を維持するためにオンラインでたびたび集まり、楽しく会話しながら自分で体調をチェックする。ネットなら遠くに住む人が参加しやすい利点もある。
 「コロナのピンチをチャンスにつなげることができそう」と孫さん。「いずれは全国の自治体が住民のフレイルチェックに使えるように普及させたい」と話す。
 飯島さんは「新たな技術を使って高齢者が健康に長く暮らすことができる次世代のまちづくりにも役立つ」と期待する。(共同=吉村敬介)

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