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医療新世紀

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バセドー病治療で新知見 ヨウ素摂取量は影響せず

2020.10.13 0:00

 甲状腺ホルモンが過剰に分泌される「バセドー病」に対する放射性ヨウ素内用療法(RAIT)の際、食事からのヨウ素摂取を厳格に制限する従来の方法は不要だとする研究結果を、順天堂大代謝内分泌内科学の内田豊義准教授、綿田裕孝教授らのグループが米国甲状腺学会誌に発表した。

 
 

 


 甲状腺専門病院である医療法人社団金地病院(東京)との共同研究。
 RAITは、薬物療法や手術が難しい場合に行われるバセドー病の治療法。甲状腺がヨウ素を取り込む性質を利用して甲状腺を放射線でたたき、結果的にホルモン分泌を抑える。従来は、ヨウ素を効率的に取り込ませるためとして治療前の1週間以上、1日当たりのヨウ素摂取量を50マイクログラム未満に抑える食事制限が求められた。半面、制限による実際の摂取量の詳細は分かっていなかった。
 研究グループは、RAIT前に食事制限を受けた患者計81人で、尿中のヨウ素量から摂取量を推定。1年後の治療効果との関係を分析した結果、薬が不要になる「寛解」になった患者の割合は57%で日本人の従来の成績と差がなく、摂取の多い、少ないは治療効果を左右しないことが分かった。
 ただ、推定摂取量が平均の2倍以上だった患者はいずれも寛解にならず、極端な取り過ぎは問題であることも示された。
 研究グループによると、日本人に比べてヨウ素摂取が少なかった諸外国でも近年は対策が奏功して摂取量が増えたため、制限の要否の議論が高まっているという。
 一方、今回の研究でRAITの治療効果に影響があることが分かったのは「甲状腺の大きさ」。甲状腺が大きな患者は寛解になりにくいことが判明し、そうした患者に新たな治療戦略を立てる必要があると指摘した。

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