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医療新世紀

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濃厚接触避け、健康に飼う ペット由来感染でシンポ 犬、猫以外にも注意を

2020.4.7 0:00
 犬、猫以外のペットが人気だ。齧歯類ではハムスターやリス、鳥類ではインコやオウム、爬虫類ではトカゲやヤモリ、カメ、ヘビ、ほかにも両生類やウサギやフェレットなど多様で、総称して「エキゾチックアニマル」と呼ばれる。生き物と触れ合うことは楽しく、なついてくればなおかわいいが、一方で、ペットとの接触は人の健康に関わる感染症の危険も高める。専門家らが市民公開シンポジウムを開き、正しく健康に飼育すること、濃厚な接触を避けることなどを訴えた。
多様化する「エキゾチックアニマル」と呼ばれるペット。(左上から時計回りに)ウサギ、セキセイインコ、クサガメ、ハムスター
多様化する「エキゾチックアニマル」と呼ばれるペット。(左上から時計回りに)ウサギ、セキセイインコ、クサガメ、ハムスター

 


 ▽ウサギのダニ
 シンポジウム「エキゾチックアニマルに由来する人獣共通感染症」は2月、岐阜市で開かれた。
 東京都内でエキゾチックアニマル専門の動物病院を開く獣医師の進藤祐介さんは、専用の薬がほぼないことなどこうした生き物を診る難しさを話した。「飼い主は情報収集に熱心で、飼い方や餌のやり方には詳しい。半面、人にうつる病気については十分に知られていない」と指摘する。
 最近人気のウサギではウサギツメダニというダニがよく見られる。人にうつると強いかゆみや皮膚炎を起こす。鼻水を出して呼吸が苦しくなるパスツレラ菌感染症は、人間がかかるとかぜ症状から関節炎や皮膚炎に進むこともあるという。
 ハムスターやウサギ、フェレットではイエダニにも注意。進藤さんは「ケージに敷くウッドチップをまめに取り換えないと温床になる」と注意を促した。
 
 

 

 ▽予防には清潔
 日本愛玩動物協会理事の林谷秀樹東京農工大准教授(獣医疫学)は爬虫類ペットからのサルモネラ菌感染について解説。
 「以前はミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)からが多かったが、カメ、トカゲ、イグアナなど爬虫類は高率で菌を持ち、健康なまま長く菌を排出する」と警告した。
 林谷さんは、感染予防には手洗いはもちろん「近くで飲食をしない」「水槽を流しや浴槽で洗わない」などを徹底することが大事だとした。
 鳥類で代表的な人獣共通感染症はオウム病だ。福士秀人岐阜大教授(獣医微生物学)は「名前からオウムやインコが警戒されるが、ほとんどの鳥が感染源の『オウム病クラミジア』を持っている」と話した。
 「オウム病クラミジアは鳥のふんに混じって排出されてから環境中で長期間、生きながらえる。乾いたふんが粉じんとして舞うと人が吸い込んでしまう」と福士さん。
 国内では鳥の展示施設で集団発生したことがあるほか、換気扇にドバトが巣を作って建物内で集団発生した例もある。ケージを頻繁に掃除して、清潔に保つことが何より予防になる。
 ▽よく観察して
 人獣共通感染症のリスクについて宇根有美岡山理科大教授(獣医学)は「病原体とともに自然から切り取ってきた生き物。犬猫に比べて生態も、病原体を持つ背景もまだ不明のものがいる」と指摘した。
 宇根さんのアドバイスは、まず購入時に健康状態をよく確かめること。ペットの素性、来歴をきちんと説明できて、正しい飼い方と考えられる病気について説明してくれる店が望ましい。
 獣医師にも専門分野がある。人が専門医を探すように、そのペットに詳しい獣医師をウェブサイトなどで探す。責任を持って診てくれる専門の獣医師にかかりたい。
 飼う際は餌の口移しは絶対にやめる。なめたりなめさせたりは避ける。排せつ物はすぐ掃除して適切に処理する。触れる前後は必ず入念に手洗いすることなどが基本だ。
 「ペットをよく観察すること。そうすれば、普段と違う様子に気付ける。不調のサインを見逃さないことです」(共同=由藤庸二郎)

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