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医療新世紀

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治療すれば、うつらない HIVの新常識と啓発

2019.6.18 0:00

 エイズウイルス(HIV)に感染しても、治療を続け、ウイルスを血液中で検出できないほど減らせば、パートナーにうつることはない―。

 最新の研究を基に、感染者への偏見をなくすとともに、感染者が適切な治療を受けるメリットを強調する啓発活動が世界で広がっている。日本でも感染対策に取り組む有志が「HIVの新常識」などのキャッチコピーを決定、活動を始めた。

   「HIVの新常識」を啓発するマークとキャッチコピー  
      (U=Uジャパンプロジェクト」提供)

 近年、1日1錠の服薬で非感染者とほぼ変わらない余命が期待できるほど治療が進歩。ウイルス量を抑えている限り、コンドームなしの性行為でも相手にはうつらないとの研究結果が昨年までに相次ぎ発表された。

 これを受け、「(ウイルス量が)検出限界値未満」と「うつらない」を意味する英単語の頭文字を取った言葉「U=U」を広める活動が世界で進展。日本エイズ学会も3月に支持を表明した。

 だが国内では知られていない。偏見も根強く、国立病院機構大阪医療センターの白阪琢磨・エイズ先端医療研究部長は「好きな人に打ち明けられない、職場で通院の理由を言えないとの声を聞く」と明かす。

 国立がん研究センターの井上洋士主任研究員らはこのほど、国内での認知向上を目指した組織「U=Uジャパンプロジェクト」を設立。使用するコピーを公募し「HIVの新常識」と「陽性■(記号の等号否定)感染、知れば変わる未来と予防」「もううつらない」の計3種類を選んだ。

 今後、ウェブサイトでの情報発信などを行うとともに、梅毒など他の感染症を防ぐためにコンドームの重要性も訴える。「効果的な治療を受けるため、まず検査に行くべきだということも伝えたい」と井上さんは話した。

(共同通信 井口雄一郎)

 *UNDETECTABLE(検出限界値未満)、UNTRANSMITTABLE(うつらない)

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