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医療新世紀

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年29万人が脳卒中に 滋賀のデータから全国推計

2019.5.28 0:00

 脳の血管が詰まったり切れたりする脳卒中の発症者は、日本全体で年間約29万人に上るとの推計を滋賀医大などの研究チームがまとめた。

 滋賀県(人口約140万人)が2011年から実施する全脳卒中発症者の登録・追跡事業のデータを基に推計した。発症者の半数以上が死亡または要介護となっており、チームの三浦克之・同医大教授(公衆衛生学)は「予防の重要性が改めて示された」としている。
 研究には11年1~12月の1年間のデータを使用。脳卒中の発症者は2956人で、うち初めての発症は2176人だった。初発患者の内訳は、血管が詰まる脳梗塞が64%、脳内の血管が破れる脳出血が25%、くも膜下出血が9%だった。

 
 

 初期の治療を受けた病院を退院する時点で、発症者の46%に介護が必要な障害が残り、17%は死亡していた。

 チームは年齢調整を行った上で算出した同県の発症率を基に日本全体の数字を推計。11年は全国で約22万人が初めて脳卒中になり、再発を含めた発症者は約29万人との結果になった。

 人口動態統計によると、同年は約12万人が脳卒中で死亡しており、死者の2・4倍の発症があった計算になる。

 脳卒中などの疫学に詳しい岡村智教慶応大教授(公衆衛生学)は「日本には全国規模で脳卒中の発症を把握できるシステムがなく、全県登録を基にした今回の推計は貴重だ。滋賀県は脳卒中による死亡率が比較的低いので、発症率も低い可能性がある。29万人という数字は『最低でもこのくらいいる』と受け止め、予防に力を入れるべきだろう」と話している。

(共同通信 吉本明美)

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