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医療新世紀

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女性も注意、尿路結石 仕組み知って食に工夫を

2019.6.4 0:00

 腎臓から尿道まで、尿の通り道のどこかに石ができる尿路結石は、背中や腰に起こる突然の激痛という特徴的な症状で知られる。壮年期男性の病気というイメージが強いが、女性も閉経後には増える。結石ができる仕組みを知って食事や生活習慣を見直せば、かなり減らせるとの報告もある。基本を学んでおこう。

  ▽症状はさまざま

 千葉県に住む70代前半の女性は、頻尿と時折強まる下腹部の痛みに悩んでいた。かかりつけ医で「ぼうこう炎」と診断され、抗生物質を飲んだが治らない。紹介された帝京大ちば総合医療センターでの詳しい検査で、腎臓と尿管に結石が見つかり、内視鏡による手術で取り除いた。

 
 

 同センター泌尿器科の納谷幸男教授は「歩けないほどの激痛で救急搬送される人もいれば、この女性のように不快な症状が長引く人、さらに全く気付かない人もいる。結石の大きさやできる場所により、自覚症状はさまざまです」と話す。

  ▽増加に歯止め

 尿路結石は先進国、発展途上国を問わず増えているという。「最大の原因は肥満の増加と考えられています。糖尿病や高血圧、メタボリック症候群とも関連する」と解説するのは、金沢医大の宮沢克人教授(泌尿器科)だ。日本では1965年以来、10年ごとに全国規模で尿路結石の実態調査が行われており、宮沢さんは最新の2015年の調査委員長を務めた。

 腎臓から尿管までの上部尿路にできる結石は尿路結石全体の95%を占めるが、この上部尿路結石の発症率は前回の05年調査まで一貫して増えていた。だが15年の発症率は男性は人口10万人当たり150・6、女性は63・3で、男女とも前回よりわずかに減少した。

 
 

 「メタボに対する日本人の意識が高まったなど、理由は幾つか考えられる」と宮沢さん。一方、発症のピークが男性は40代から50代へ、女性は50代から60代へと高齢化したことも分かった。

 宮沢さんは「男性の50代、女性の60代は肥満が増える年代でもある。米国の研究によれば、肥満になった場合の結石のリスクは、女性の方が男性より大きい。特に女性は適正体重の維持に注意してほしい」と指摘する。

  ▽高い再発率

 帝京大の納谷さんは「一度尿路結石ができた人の食事指導が大切」と話す。結石の再発率は40~50%と高いからだ。

 尿路結石の成分は何種類かあるが、代表的なのはシュウ酸カルシウム。結石の予防にはまず、尿中にシュウ酸が増えないようにすることが重要だ。シュウ酸はホウレンソウやブロッコリーなどの野菜やコーヒー、紅茶、アーモンドなどのナッツに多く含まれる。

 カルシウムは、かつて結石をできやすくすると考えられたが、腸内でシュウ酸と結合し排せつを促すことが研究で明らかになり、現在はシュウ酸が多い食品と一緒に取るよう勧められる。女性は年齢とともに骨量が減り、骨粗しょう症のリスクが高まるので、カルシウムはその予防の意味でも大切な成分と言える。

 また、水分を十分に(1日2リットル以上)摂取して尿量を増やし、尿の濃度が高まらないようにすることも心掛けたい。

 納谷さんは「野菜などは栄養面のメリットもあり、やめることはない」という。必要なのは、ゆでてシュウ酸を減らしたホウレンソウのおひたしにカルシウムが多いかつお節やしらす干しを添える、コーヒーや紅茶には低脂肪のミルクを入れるなど、ちょっとした工夫。そうすれば、結石のリスクを減らしつつ豊かな食事を楽しむことができる。

 (共同通信 吉本明美)

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