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常識にできるか緩和ケア 心不全での普及これから

2018.10.23 0:00
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 重い病気に伴う苦痛を和らげる「緩和ケア」はがんに限らず、心不全でも、死が避けられない段階を迎えた患者には重要であることが知られるようになり、今春から公的医療保険も適用された。

 
 「心不全緩和ケア」について語る坂田泰史さん

 しかし、関心を持つ医療者でつくる「心不全緩和ケア研究会」の世話人を務める坂田泰史・大阪大教授(循環器内科)は「多くの医療機関はまだ手探り状態ではないか。普及には医療者の意識を変えていく必要がある」と指摘する。

 心不全は心臓のポンプ機能が衰える病気で、高血圧や糖尿病などを抱える高齢者に多い。入退院を繰り返し、時間をかけて悪化する経過が一般的で、最終的には息苦しさや体の痛みに悩まされる患者が多いという。

 ただ、強心剤などによる積極的治療の効果がいつなくなるかを予測するのは難しい。「ここから先は緩和ケア、といった線引きの難しさが、心不全緩和ケアの取り組みを遅らせてきた」と坂田さんは言う。

 緩和ケアの取り組みが先行したがん医療の分野でもかつて「もう治療手段がない」時点が緩和ケアの始まりと考えられたが、今では「診断時からの緩和ケアが大切」が新常識になりつつある。

 「心不全でも初期から緩和ケアに取り組むのが理想だ」と話す坂田さんによると、多くの循環器内科医は緩和ケアの経験がないと思っている。だが実は、初期から出るむくみや息切れなどの症状改善に利尿剤を投与する日常的な医療も、緩和ケアの一種と考えられる。

 「心不全の診療に当たる医師は緩和ケアは自分たちの仕事と考え、患者の苦痛を正確に把握するよう努力すべきだ」

(共同通信 吉本明美)

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