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医療新世紀

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治る認知症見逃しの恐れ  甲状腺検査、33%のみ

2018.9.18 0:00

 医師が認知症を診断する際、実施が推奨されている検査が十分に行われておらず、治療可能なタイプの認知症が見逃されている恐れがあるとする研究結果を、医療経済研究機構の佐方信夫主任研究員らが保険診療データを基にまとめた。

 
 

 認知症の多くは治すことができないが、全体の1割は適切な時期に治療すれば回復が可能とされる。このため、治るタイプかどうかを診断時に見分けることが重要だ。

 佐方さんらは、2015年度に認知症の診断を受け、主にアルツハイマー型の症状の進行を遅らせる目的で使う抗認知症薬を処方された約26万人について、治療可能な認知症の一つ「甲状腺機能低下症」の検査が行われたかどうかを調べた。

 その結果、実施率は全体で33%にとどまった。施設別に見ると、都道府県が指定する認知症の中心的な医療機関では57%。病院は38%、診療所は26%と最も低かった。
 佐方さんによると、甲状腺機能低下症は認知症の数%程度と少なく、症状だけでは診断がつきにくい。一般的な血液検査で調べられる上、甲状腺ホルモンを補充すれば回復も望める。検査は内外の認知症の診療指針で推奨されている。

 東京都医学総合研究所の奥村泰之(おくむら・やすゆき)主席研究員の分析によると、国内で抗認知症薬を処方されているのは85歳以上で人口の17%に上り、海外に比べて非常に多いという。

 佐方さんは「認知症の増加により、専門でない医師が診る機会が増え、すぐに薬を処方する傾向があるのではないか。その前に検査をしっかり行い、治療可能な認知症を見逃さないよう、医師らに改めて周知すべきだ」と話している。

(共同通信 井口雄一郎)

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