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がんに集まる薬を画像化国立がん研究センター成功

2013.12.3 10:32
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 薬剤を体内の狙った部位に、効果的なタイミングで、集中的に送り込む技術は「ドラッグデリバリーシステム(DDS)」と呼ばれる。

がんに集まる薬を画像化国立がん研究センター成功
治療効果を高めながら、副作用を減らせる投薬方法として注目されている。
 このDDSを応用した抗がん剤が、がん組織に長時間、集中してとどまっている様子を画像化することに、国立がん研究センター東病院 (千葉県柏市)などのチームが「質量顕微鏡」という日本で開発された装置を使って初めて成功した。
 同病院新薬開発分野の松村保広分野長と安永正浩ユニット長によると、このDDS抗がん剤は、乳がんや胃がんなどで広く使われている抗がん剤パクリタキセルをナノメートル(ナノは10億分の1)サイズの微粒子に封入した「NK105」。日本化薬 (東京)が実用化を目指し、転移・再発乳がんを対象とした臨床試験を進めている。
 松村さんらはヒトの膵臓がんの細胞を移植したマウスに通常のパクリタキセルとNK105をそれぞれ投与。その後、がん組織と正常組織を取り出して標本を作り、島津製作所 (京都市)の質量顕微鏡で観察した。
 すると、NK105では薬の存在を示す小さな点ががん組織に集中する一方、正常組織にはほとんどみられなかった。また、通常のパクリタキセルは投与後24時間でがん組織から消えていたが、NK105は24時間後、さらに72時間後も、がん組織内に多くとどまっていることが判明した。
 松村さんは「がんに集まる抗がん剤というNK105の特徴が証明された。薬剤の分布を視覚的に直接確認できれば、次世代のDDS抗がん剤開発で強力な武器になる」と話している。

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