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2016.11.29 9:37
飲酒とアルコール依存症の正しい知識を身に付けてほしいと、厚生労働省研究班が一般向けの解説冊子「市民のためのお酒とアルコール依存症を理解するためのガイドライン」を作成した。
計89ページで「知識編」と「よくある質問への答え」の2部構成。三重県立こころの医療センター診療部の長徹二医長らアルコール依存症の診療や研究に携わる20人以上の専門家が協力してまとめた。
飲酒や依存症を巡っては俗説などに基づく誤解や偏見も根強く、受診が遅れがちになるなどの問題が指摘される。そこでアルコールに関する基礎知識や市民が抱く疑問を幅広く取り上げ、研究で新たに分かったことも盛り込んで分かりやすい解説を目指したという。
ガイドラインは、飲酒は基本的に体に負担をかける行為であり、性別や年齢、体質で異なる適量を超えると、多くの疾患のリスクが高まることを強調。依存症につながりやすい飲酒習慣として(1)寝酒をする(2)日々のストレスや不安を飲酒で紛らす(3)アルコール度数の高い酒を好む―などを挙げた。
望ましい飲み方としては、食事をしながらゆっくり時間をかけて飲む、誰かと話をしながら飲むなどを例示し、気分を晴らすには「飲んで晴らすより、話して晴らす」よう勧めている。
飲酒の問題を防ぐにはまず自分のアルコール摂取量を客観的につかむのが有用だとして、簡単にアルコール量を計算してくれるインターネット上のプログラムなども紹介している。
ネットでガイドライン全文をダウンロードできる。