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教師に知ってほしい糖尿病 自己管理信じ見守りを  出前講座の参加校募集

2017.12.19 0:25
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 小児から若年層での発症が多い1型糖尿病。病気の子を迎え入れる場合、学校や幼稚園、保育園はどう対応したらいいのか。日本糖尿病協会(東京)は、教職員の理解を深めてもらおうと、専門医と1型糖尿病患者がペアで学校を訪れて病気の解説をする出前講座(訪問プログラム)を始め、全国の学校や園から参加を募っている。
 
中学校の教職員を対象にした糖尿病の出前講座(日本糖尿病協会提供)
中学校の教職員を対象にした糖尿病の出前講座(日本糖尿病協会提供)

 ▽過剰な配慮も

 同協会が2016~17年に全国の患者会を通じて1型糖尿病の子どもがいる102の家族に尋ねたアンケート結果では、入学の際、学校などとの調整に多少なりとも苦労したとの回答が16%あった。
 
 アンケートの記入欄には「体育や運動会、遠足などでの親の立ち会いを求められた」「保健室へ行きたいと伝えたが、我慢するように言われた」「体調が悪いことを(見た目からは)分かってもらえないことがある」などの悩みが寄せられたほか、親が毎日学校に通い、インスリン注射の際に付き添っていたケースも同協会に報告された。
 
 協会理事でもある東京女子医大東医療センターの内潟安子(うちがた・やすこ)病院長(糖尿病内科)は「どんな病気であるかとか、患者自身がインスリン注射や糖分補給を判断する必要があるなどといった基本が分かっていても、実際にどうしたらいいか、教職員が学ぶ機会がない。そのため、気遣いに欠けた対応や、逆に過剰な配慮が子どもや家族に負担になることもある」と話す。
 
 ▽先輩からの要望
 
 危機感を持った同協会は、製薬会社サノフィが国際糖尿病連合などと各国で進める啓発活動「キッズ・プロジェクト」の一環として、同社とともに2017年、教職員向け出前講座を始めた。

 約1時間の講座は、糖尿病専門医が講師を務めるほか、長く病気と付き合いながら就学、就職した先輩患者で、同協会が同じ病気の子どもたちへの助言役「インスリンメンター」と認定した人が、自身の体験に基づいて必要な対応を語る。
 
 9月の第1回講座では内潟さんと、メンターで茨城県在住の地方公務員、坂本辰蔵(さかもと・たつぞう)さん(45)が東京都内の私立中学校を訪問。校長や教頭、養護教諭を含む教職員15人を前に、1型糖尿病患者がインスリンを日常的に自己注射していることや、注射の量や回数は本人が主治医と相談して決めていることなど1型糖尿病の基本を紹介。患者が日々、注射や糖分補給のやり方に自身で工夫を凝らしていることを説明した。
 
 坂本さんは「病気について周囲に伝えたい子も、逆にまだ知られたくない子もいる。それぞれの意思を尊重して」と要望。自分が小中高校を通じて修学旅行や課外活動への参加を認められなかったことを語り「本人の希望を最優先し、自己責任で対応させ、教職員はそれを見守ってほしい」と訴えた。
 
 ▽啓発冊子を作成
教職員向け啓発冊子
教職員向け啓発冊子

 受講者からは「信じて見守ればいいと分かった」「希望に沿って協力することが重要だと思った」「教員が自分の不安を子どもに押しつけないことが大切だ」などの感想が寄せられたという。

 講座は無料。申し込み、問い合わせは電話03(3514)1721、日本糖尿病協会まで。申し込みに限らず、学校側、患者側双方の悩みについて広く相談を受け付けている。

 この問題では、製薬会社ノボノルディスクファーマが、教職員向け啓発冊子「小児糖尿病の子どもを預かる先生方へ 子どもと糖尿病安心ハンドブック」を内潟さんの監修で作成している。
 
 入手についての問い合わせは電話03(6266)1700、同社広報担当まで。
 
(共同通信 由藤庸二郎)
 

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