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高血圧症の病型を予測 手術で治療、精度89%

2022.1.11 0:00
 高血圧症の一種で、副腎に由来するホルモンが過剰になって起きる「原発性アルドステロン症」の治療に役立つ可能性がある新たな検査手法を、九州大の小川佳宏教授の研究チームが開発した。
 
 

 

 血圧を上げるホルモン「アルドステロン」に加え、「カリウム」「ナトリウム」の3種類を血液検査で調べる。それぞれの濃度や比率を分析することで、手術で血圧を下げることが可能なタイプの病型かどうかが高い精度で予測できる。
 小川さんは「原発性アルドステロン症の国内患者は200万人近い。臨床研究でさらに有効性を確かめ、スマートフォンのアプリなどに応用して医師の診断支援に役立てたい」と話す。
 国内の高血圧症患者は約4300万人。脳出血や狭心症など脳心血管病の最大のリスク要因だ。うち原因が特定できる2次性高血圧は10%で、その約半数を原発性アルドステロン症が占める。
 アルドステロンは腎臓の上にある副腎でつくられ、良性腫瘍ができたり組織が肥大したりして過剰になると高血圧を招く。原発性アルドステロン症の3割が副腎の腫瘍を内視鏡手術などで取り除くことで治療できるが、このタイプを特定するには何段階もの検査や診断が必要。手間がかかるため、かかりつけ医など医療現場でのスクリーニング検査の実施率が低いのが課題だった。
 今回の手法は1回の血液採取で可能なため、検査や診断に進むべき患者を見つけやすくなるのがメリット。チームが人工知能(AI)技術を使って実際の患者データを分析すると、手術に適した人を89%の精度で見分けることができた。

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