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脳振とう、唾液で診断 英ラグビー選手で確認

2021.5.18 0:00
 スポーツ中に転倒して頭を打ったり、選手同士が激しくぶつかったりすると脳振とうが起きることがある。英バーミンガム大の研究チームは、唾液に含まれる遺伝子断片を手掛かりに、脳振とうの程度を見分ける新たな診断手法を開発した。
負傷してピッチを出るアイルランドのラグビー選手(ロイター=共同)
負傷してピッチを出るアイルランドのラグビー選手(ロイター=共同)

 

 英国のプロラグビー選手千人以上が参加した研究で正確に診断できることを確認。プロに加えてアマチュアスポーツの安全性向上にも役立つと期待され、チームは「脳振とう診断の“ゲームチェンジャー”になりうる」としている。
 脳振とうは外傷性脳損傷の一種で意識障害などを伴う。多くは短時間で回復するが、時に重いケースも含まれ診断が難しい。プロラグビーなどでは選手のプレー続行の可否を医師らが判断する「ヘッド・インジュリー・アセスメント(HIA)」という評価法を導入している。
 チームは、神経組織などから分泌され、唾液に含まれるさまざまな種類の遺伝子断片「マイクロRNA」に着目。14種類のマイクロRNAを組み合わせた予測手法を開発した。2017~19年に試合前後やプレー中に選手の唾液の提供を受けて分析すると、HIAの結果と94%以上の正しさで一致することを確かめた。
 より簡便な検査ツールを開発すれば試合場などで素早く診断することもできそう。チームは実用化に向けて選手での研究をさらに進める。
 脳振とうは何度も繰り返すと認知障害を伴う「慢性外傷性脳症」になる危険性が指摘される。アメリカンフットボールやサッカー選手で問題視され、英国や米国では少年サッカーでヘディングを禁止するなどの対策が講じられている。

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