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副作用は薬のせい? 「ノセボ効果」知って

2021.1.29 0:00
 薬は病気を治す一方でさまざまな副作用を伴うことがある。脂質異常症の治療薬「スタチン」を使った英インペリアル・カレッジ・ロンドンのチームによる研究で、服用者が経験する筋肉の痛みや倦怠(けんたい)感といった副作用のうち9割が、薬の成分と無関係なことが示された。どうやら「薬を飲む」という行為によって、気になる副作用の症状が引き起こされるらしい。
スタチンの錠剤(ゲッティ=共同)
スタチンの錠剤(ゲッティ=共同)

 こうした現象は「ノセボ効果」と呼ばれる。本物の薬にそっくりだが実際は成分が入っていない偽薬(プラセボ)を飲んだ時に病気の症状が改善する「プラセボ効果」と反対の現象だ。

 スタチンは一部の患者の心臓病リスクを減らすのに役立つが、副作用が耐えられなくなって服用を中断する患者が少なくない。チームの研究者は「無用な中断を避けるために、医師は処方時にノセボ効果があり得ることを患者に説明する必要がある」と指摘している。
 チームは2016~19年に英国の病院で臨床研究を実施。副作用を経験してスタチンを中断したことがある37~79歳の患者60人に本物と偽薬のスタチンを渡し、本人がどちらを服用しているか分からないようにして1年間にわたって追跡した。比較のため薬を全く服用しない期間も設けた。
 うち49人が臨床研究を完了。スマートフォンのアプリで毎日の副作用の度合いを報告してもらうと、本物のスタチンを飲んでいる時と偽薬を飲んでいる時で副作用の程度がほとんど変わらなかった。チームは報告された副作用のうち90%がノセボ効果によるものだと結論付けた。なかには加齢に伴う症状を副作用と感じた人もいるとみている。

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