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産後の自殺予防プログラム 「長野モデル」効果報告

2020.10.27 0:00
 出産後の女性は生活環境の変化やホルモンバランスの崩れにより精神的に不安定になりやすい。周産期の妊産婦死亡の原因で1位が自殺であることが分かっており、その対策は喫緊の課題だ。
 そうした精神的不調を抱えた女性に、地域の保健師や医師らが早期からチームで関わり、自殺を防ぐプログラムを国立成育医療研究センターこころの診療部(立花良之部長)が開発、国際学術誌に発表した。
 長野県精神保健福祉センター、長野市保健所などとの共同研究で、2015~16年に妊娠届を自治体に提出した女性計464人を対象とした。
 
 

 


 約半数の女性には、出産後、最初に保健師が新生児訪問した際に、心理状態を評価する質問票に回答を得て分析。自殺念慮が疑われた女性には、まず保健師が悩みや困り事をよく聞いて追い詰められた気持ちに対応。さらに、抱えている問題があれば一緒に解決法を相談し、家族や子どもにも配慮をしつつ、精神科医をはじめとする医療者や自治体の窓口につなぐなど支援を継続した。
 その結果、最も自殺の多いとされる産後3~4カ月の質問票では、自殺念慮が従来のやり方で対応した女性に比べて明らかに下がり、プログラムの有効性が示された。メンタルヘルスも向上し、その効果は産後7~8カ月まで続いていたという。
 研究チームは、リスクのある妊産婦を早期に発見、対応するこのプログラムを「長野モデル」と名付け、今後研修会を開くなどして国内外に普及したい考えだ。
 立花さんは「長野モデルは新たな予算や人員を必要とせず、従来の母子保健の枠組みで取り組めることも利点だ。各地域で自治体と医療者が連携すればいつでも導入できる」と強調している。

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