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妊婦向け抗原虫薬が初承認 母子感染の低減期待

2018.11.6 0:00
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 ネコのふん便などに潜む原虫トキソプラズマは、免疫のない妊婦が初めて感染すると、胎児にも感染する恐れがあり、死産や流産のほか、子どもの脳や目に重い障害が出る場合がある。

 
 

 妊婦から胎児への感染が疑われる場合に処方される、抗原虫薬「スピラマイシン」がこのほど初めて国の承認を受け、保険も適用された。胎児への感染が最大で8割程度予防できるという。

 海外で30年以上前から使用されている薬。日本産科婦人科学会などが国内でも使えるようにしてほしいと要望していた。

 トキソプラズマは、汚染された土などを触った手から知らずに口に入ったり、原虫が付着した食肉を十分加熱せずに食べたりすることで感染する。

 健康な妊婦が感染しても症状が出ないことが多く、感染に自分で気付くのは難しいため、予防が大切。ネコのふん便や土に触れる際には必ず手袋をし、よく手を洗うこと。生肉にはしっかり火を通し、野菜や果物はよく洗って食べる。

 母体内で感染し何らかの障害がある先天性トキソプラズマ症児は、国内で年間130~1300人誕生するとの推計があるが、実態ははっきりしない。

 先天性トキソプラズマ症児の母親らでつくる「トーチの会」の渡辺智美代表は「この薬が保険適用になったことで、妊娠中に検査を受ける人が増えると予想される。その結果、見逃される症例が減ることになれば喜ばしい」と歓迎しつつ、「子どもが感染した場合に使う治療薬は国内ではまだ承認されていない。さらに対策を強化してほしい」と話している。

(共同通信 吉本明美)

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