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小児がん種類超え共通治験 薬の開発促進狙う

2019.3.19 0:00

 国立がん研究センター(東京)は、ALKと呼ばれる特定の遺伝子にがんの原因となる変異があれば、がんの種類に関係なく参加できる薬の臨床試験(治験)を始めた。

 既存の治療法では効果がない3~18歳の患者が対象。成人の肺がん治療に使われている「アレクチニブ」という薬で、主に安全性を調べる。

 
 

 がん治療薬の治験は臓器別に実施するのが一般的だが、子どものがんはまれなため、一つ一つの治験に十分な数の患者が集まらず、薬の開発が進みにくいという問題があった。
 今回は「同じ遺伝子に働く薬なら、臓器をまたいで効くはずだ」との考えに基づき、さまざまな種類のがんの患者を一括して募集する「バスケット方式」で行う。欧米で広がりつつあるやり方だが日本ではまだ珍しい。

 患者24人を9月まで募集。終了後は治療結果を解析し、成人や海外の小児の治験データと合わせて国の承認取得を目指すか、より多くの患者が参加する次の段階の治験に進むかを決める。ゴールは、公的医療保険が適用され、患者の費用負担が軽い薬にすることだ。

 国は、治療の手だてがないがん患者の遺伝子変異を調べ、開発中や適用外の薬から使えそうなものを探す「がんゲノム医療」を推進しようとしている。だが子どもの場合、せっかく遺伝子を調べても治験が少ないため、薬にたどり着く可能性は成人に比べて相当厳しい。

 治験の責任者を務める同センター中央病院小児腫瘍科の荒川歩医師は「今回のやり方を参考に、多くの病院で子どもの薬の開発が進むことを期待している」と語った。

(共同通信 井口雄一郎)

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