肉の貿易が健康に影響 米チーム、25年で急増

2022年02月26日
共同通信共同通信
 過去25年間に牛肉や豚肉、ハムやソーセージなどの国際貿易が急増したのに伴い、大腸がんなど食生活が関係する病気による健康影響が消費国を中心に増大したとする研究結果を、米ミシガン州立大などのチームがまとめた。
フランス・マルセイユで店頭に並ぶ肉(ロイター=共同)
フランス・マルセイユで店頭に並ぶ肉(ロイター=共同)

 

 かつてソ連圏だった東欧や北欧の一部に加え、カリブ海の島国やオセアニア諸国での変化が著しい。急速な都市化や所得水準の上昇に加え、地域経済圏への参加などで肉の消費が増えたとみられる。チームは「農産物の取引と人の健康を関連付けた政策づくりが必要だ」と指摘する。
 牛や豚、羊の肉は「赤肉」と呼ばれる。ハムやソーセージ、ベーコンなどの加工肉や赤肉を多量に食べると大腸がんのリスクが高まるとの報告がある。世界がん研究基金は赤肉の摂取量は週500グラムまで、加工肉はできるだけ少なくすることを推奨する。日本人は一般に食べる量が少ないため過度に心配する必要はないとされる。
 チームが国連食糧農業機関(FAO)のデータを使って調べると、世界の赤肉や加工肉の貿易量は1993~2018年に2・5倍に増加していた。欧州や北米、南米、オセアニアなどが主な輸出元だ。
 さらに大腸がんや2型糖尿病、虚血性心疾患などの病気や死亡との関係を分析。生存年数や病気による身体影響などを考慮した指標で比較すると、旧ソ連圏やカリブ海の国で25年間に赤肉や加工肉による健康損失が特に増えていた。全体の4分の3の国で指標が悪化しており、輸出国のオーストラリアなども例外ではなかった。
 研究はBMJグローバルヘルスに発表した。