【5053】若駒 五百万石80 無加圧採り 無濾過生原酒(わかこま)【栃木県】

2023年02月04日
酒蛙酒蛙
栃木県小山市 若駒酒造
栃木県小山市 若駒酒造

 夕方、ふらりとなじみのH居酒屋へ。15年ほどそのような行動パターンを続けている。近年は、ほかの居酒屋で飲む機会が増えたが、やはりH居酒屋に入ると、実家に戻ってきたような、一種独特な気持ちに包まれる。いってみれば、わたくしのホームグラウンドだ。

 何種類かの酒を飲んだが、そのうち「若駒 五百万石80 無加圧採り 無濾過生原酒」は、初めて目にする酒だった。若駒酒造のお酒は当連載でこれまで、9種類を取り上げており、そのほとんどが「若駒」だ。さて、いただいてみる。

 酒蛙「おっ、ラムネ香だ! セメダイン香(酢酸エチル)も感じられる」
 店主「バナナっぽい香りだ」
 酒蛙「うん、上立ち香、含み香とも『ラムネ+バナナ+セメダイン』の混合香だ。もっとも、ラムネ、バナナ、セメダインはいずれもかなり近い香りだ。この香りがかなり強い。味わいは、辛い。かなり辛みが出ている。辛いが、酸も良く出ている。シャープ感がある。この辛みと酸がいいね。旨みは適度」
 店主「後味は辛い。たしかに辛い」
 酒蛙「うー、辛い。口当たりはすっきり。余韻の苦・辛がかなり強い。クラシックタイプのややミディアムボディー酒。あるいは薫酒と爽酒を一緒にしたようなタイプ」

 瓶の裏ラベルは、この酒を以下のように紹介している。「バナナを思わせるジューシーな旨味とキレの良さあります。おりがらみのお酒のため、栓を開ける際に蓋が飛ぶ場合があります。開栓の際はお気をつけてお開け下さい」

 裏ラベルのスペック表示は「原材料 米(国産)米こうじ(国産米)、原料米 五百万石100%、精米歩合80%、アルコール分16.5度、使用酵母 T-ND T-S、醸造年度 2022BY、醸造責任者 柏瀬幸裕、製造年月2022.12、出荷年月2022.12」。

 スペックを見ると、この酒は「純米酒」だとおもうが、なぜ特定名称酒の区分表示をしないのだろう???

 酒名および蔵名「若駒」の由来についてコトバンクは以下のように説明している。「地元には古くから初午の日に飾り馬が村内をめぐる風習があり、酒名は、その馬が店に飛び込んできたことに由来」