【5043】央 桃ラベル 純米 夢の香 上澄み 無濾過 本生原酒(おう)【福島県】

2023年01月30日
酒蛙酒蛙
福島県河沼郡会津坂下町 曙酒造
福島県河沼郡会津坂下町 曙酒造

【E居酒屋にて 全7回の①】

 先だって、なじみのE居酒屋の女将さんから連絡が入った。「新しいお酒をたくさん入れたので、飲みにいらっしゃい」。さっそく訪れ、4種類の酒をテイスティングしたところで、客3人組が入ってきた。3人ともタバコぶかぶか、カラオケがんがんやらかしたため、とてもじゃないけどテイスティングに集中できない。ということで、いったん打ち切り、後日出直し、テイスティングの続きに取り組んだ。

 最初に選んだのは「央 桃ラベル 純米 夢の香 上澄み 無濾過 本生原酒」だった。曙酒造のお酒は当連載でこれまで、12種類を取り上げている。旨みと酸を感じる、落ち着き感のある、しっかりとした味わいの酒、という好印象を持っている。このうち「央」は、【2449】回目の「央 純米大吟醸 夢の香 別汲み 無濾過本生原酒 紫ラベル」を1種類を取り上げている。さて、いただいてみる。

 上立ち香は、白桃香がほのか。含み香も同様にほのか。ファーストアタックは甘旨酸っぱい、だった。中でも甘みと酸を良く感じ、しっかりとした骨格を感じる。余韻はすこしの辛みと渋み。飲み進めていくと、甘みがさらに感じられるようになる。タイプはモダンとクラシックの中間あたり。ボディーはフル寄り。あるいは醇酒。

 裏ラベルのスペック表示は「令和4酒造年度(2022)、仕込89号、原料米 夢の香100%、精米歩合65%、製造年月22年7月(上槽・瓶詰)、原材料名 米(国産)米麹(国産米)、アルコール分16度、販売者 (有)五の井商会」

 「央」は福島県河沼郡会津坂下町の酒販店「会津旨酒五ノ井酒店」が同町の曙酒造に造ってもらったプライベートブランド商品。

 使用米の「夢の香」(ゆめのかおり)は、福島県農業試験場が1991年、母「八反錦1号」と父「出羽燦々」を交配、育成と選抜を繰り返し品種を固定。2000年に命名、2003年に種苗法登録された酒造好適米だ。

 曙酒造の主銘柄は「天明」。その由来についてコトバンクは「酒名は、日の出のように世に羽ばたいてほしいとの願いを込めて命名」と説明している。