【5042】和心 特別純米 雄町(わしん)【岡山県】


【山の会で 全2回の➁完】
金融機関の友人たちと年に2回ほど山に登り、下山後は反省会と称す大宴会を開いて楽しんできた。ところがコロナのため、登山も飲み会も3年ほど中断を余儀なくされた。しかし、そろそろ飲み会を開いてもいいんじゃないか、と満を持して飲み会を開くことにした。場所は、この会が本拠地としてきたH居酒屋。
メンバーそれぞれがお酒を持ち寄り、それを飲む、というパターンが定着している。数種類が持ち寄られた中で、当連載で紹介されたことがない酒が2種類あった。まず「龍颯 上撰」を飲み、続いて「和心 特別純米 雄町」をいただいた。「和心」は当連載でこれまで、2種類を取り上げている。さて、いただいてみる。
香りは抑えられている感じ。最初のアタックは甘み。旨みは適度。中盤から余韻は辛み。口当たりは、キレ良くタイト、シャープ、淡麗感、軽快感あり。酸は、最初のうちは奥にひっそりといる感じで目立たないが、飲み進めていくと、酸がずいぶん出てきて、辛みとともに、味の主要素となる。酸が出ているので飲み飽きしないタイプで、食中酒に向いているとおもった。味に派手さは無いが、凛とした侍(さむらい)のたたずまいを感じる。クラシックタイプのややライトボディー。あるいは爽酒的醇酒。
瓶の裏ラベルは、この酒を以下のように紹介している。「全ての酒米の親とも言われる『雄町米』を混合酵母仕込みで厳寒期に仕込んだ特別純米酒です。料理の邪魔をしないきれいな味わいです」
裏ラベルのスペック表示は「アルコール分15.0度以上16.0度未満、原材料名 米・米こうじ、精米歩合 60%(岡山県産雄町100%)製造年月22.11」。
瓶の首には「『和心』伝えたい・・和の心・・」と題したタグが掛けられており、酒名「和心」のコンセプトを以下のように説明している。
「日本人が生んだ わび・さびの世界 花鳥風月をめで 四季の移ろいを楽しむ 日々の営みの中から失われていく和の心 日本人が育んで来た日本の心 そして酒造りの伝承の技、手の技 和心は、雄町米を始めとする 岡山県産米に最後の一粒までこだわり 岡山伝承の備中杜氏流の技で 時間をかけてじっくり手づくり 良質の和食とともに 良質の時間をお届けしたい 少しだけの贅沢を添えて」
また、タグによると「和心ラベルの文字は、武田双雲先生の揮毫です」とのこと。