【5038】DOMAINE WATANABE BLENDED(どめーぬ・わたなべ・ぶれんでっど)【新潟県】


【食事処Iにて 全2回の①】
近所の食事処Iはここ数年、常連を集め月に1回、仲良し会を開いている。そして、いつのころからか、各メンバーが酒を持ち寄り、みんなで味比べを楽しむようになった。
今回、食事処Iでいただいた数種類のお酒のうち、わたくしが飲んだことがないのは2種類だった。まず飲んだのは「DOMAINE WATANABE BLENDED」だった。これは、「根知男山」で知られる渡辺酒造店のお酒。渡辺酒造店のお酒は当連載でこれまで、6種類を取り上げている。
ドメーヌとはワイン用語で「自分の畑でぶどうを生産し、ワインを醸造・瓶詰めする者をさす」(Wikipedia)。渡辺酒造店はこれを日本酒造りで実践しているもので、この酒の裏ラベルには「明治元年の創業以来、山あいの地である根知谷で雪深い自然豊かな環境を生かした酒造りを続けております。自社栽培で米作りから酒造りまですべて根知谷で完結する酒蔵です」と自己紹介している。
さて、いただいてみる。上立ち香はメロン香がほのか。すっきりとした口当たりで、きれいな酒質。味わいは甘旨みが適度にあり、辛みも出ている。味のしないドライ的な辛みではなく、旨みを伴った辛みが舌を刺激する。酸は奥の奥に。「根知男山」に共通してみられる、落ち着いたたたずまいのお酒。クラシックタイプ、ボディーはミディアムとライトの中間。あるいは爽酒。
「旅する久世福e商店」のウェブサイトによると「DOMAINE WATANABEは、2021年2月にリリースした新しいブランドです。原料米の自社栽培に取り組んで19年目の2021年、ほぼ全量自社栽培米での酒造体制を確立しましたので、ドメーヌをブランド化しました。酒造技術だけでなく、米作りからすべて自社で取り組むことの価値、面白さをお客様に届けることを目指しています」。また、
同サイトによると、ラベルの絵は「糸魚川産ヒスイ(新潟県の石)の研摩も行う長野県白馬村の鉛筆画家、大塚浩司さんに描いていただきました」とのこと。また、ネット情報によるとラベル絵のモデルは、「渡辺酒造店の『豊醸蔵』です。自社所有林からスギ材を伐り出し、根知谷の木と石と土を使い、根知谷の職人が伝統の技で建てた『豊醸蔵』を、根知谷の風景とともに描いています」。
裏ラベルのスペック表示は「アルコール分15度、原材料名 米(新潟県産)米こうじ(新潟県産米)、製造年月21.7」。3種類程度の原酒をブレンドしてつくった酒なので、精米歩合の表示は無い。