【5034】白岳仙 純米吟醸 荒走 生酒 五百万石十割仕込(はくがくせん)【福井県】

2023年01月26日
酒蛙酒蛙
福井県福井市 安本酒造
福井県福井市 安本酒造

【B居酒屋にて 全6回の③】

 酒友から「今さら聞けない日本酒講座の個人授業をしてほしい」と頼まれ、B居酒屋へ。日本酒歴が長い酒友だが、生酛とは? 山廃とは? 酒母とは? など知っているようで説明するとなるとできない言葉が多い、という。もどかしい酒友の気持ちはよく分かる。ということで、喜んで引き受けることにした。個人授業といってももちろんワリカンだ。

「よこやま」「あべ」と飲み進め、次にいただいたのは「白岳仙 純米吟醸 荒走 生酒 五百万石十割仕込」だった。「白岳仙」は当連載でこれまで、4種類を取り上げている。今回のお酒はどうか。いただいてみる。

「ポン!!!」。栓を抜いたら、大きな音がした。お酒が生きており、瓶の中で炭酸ガスを出していたのだ。そう、この酒は生酒だった。

 酒友「酸味ある。甘みある。辛みある。余韻に辛みがある」
 酒蛙「香りは抑えている。ピチピチしたガス感がある。さっぱり、すっきりとした口当たり。淡麗。3口目あたりから酸が出て来る」
 酒友「7割酸味、2割甘み」
 酒蛙「酸がいいね。温度がすこし上がってきたら、旨みが出てきた。実にさっぱりとしたお酒だなあ。やわらかな酸がいいね。さわやかに感じるお酒だ」
 酒友「ずっと飲み続けられる酒だ」
 酒蛙「まったく同感。毎日の晩酌酒、食中酒に適している。ややモダンに寄ったクラシックタイプのライトボディー酒。あるいは爽酒」

 瓶の裏ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米麹(国産米)、原料米 福井県産五百万石100%使用、精米歩合 麹米55% 掛米58%、アルコール分 14度、製造年月2022.11」。なお、酒名にうたっていいる「荒走」(あらばしり)は、醪(もろみ)を搾るとき、最初に出てくるお酒のこと。

 酒名「白岳仙」の由来について、日本の名酒事典は、「代表銘柄の『白岳仙』は、仕込水に使われる白山山系の伏流水の白、専務の名前からとった岳、酒飲み仙人の仙に由来する」と説明している。