【4968】菊姫 姫 普通酒 山廃仕込(きくひめ)【石川県】

2022年11月27日
酒蛙酒蛙
石川県白山市 菊姫合資
石川県白山市 菊姫合資

【B居酒屋にて 全7回の➁】

 B居酒屋は「全国の地酒200種類を常時置いています」がウリだ。1カ月に1回のペースで店を訪れると、日本酒のラインナップはだいぶ変わっているので、当連載「日本酒津々浦々」の取材に好都合なのだ。今回は、当連載でまだ取り上げたことがないお酒7種類をいただいた。

「郷宝 特別純米 彗星」に続いていただいたのは「菊姫 姫 普通酒 山廃仕込」だった。「菊姫」は当連載でこれまで、9種類を取り上げている。ガツンとくる重厚な酒、そして深みのある味わいの熟成酒のイメージがある。地酒の中でも孤高の立ち位置。わたくしにとって別格の酒だ。

 菊姫=熟成酒=燗酒、というイメージが濃厚にあるため、今回のお酒は最初から燗酒でいただくことにする。温度は45℃。

 辛っ!!! これが第一印象だった。辛みの陰に甘みを感じる。そして、すぐ酸がやってくる。この酸に、軽快感があり、存在感がある。含み香は、古酒香的熟成香的香ばしい香りが広がる。いかにも「菊姫」らしい。普通酒なのに、キレが非常に良い。酸に軽快感があるため、飲み飽きしない。晩酌酒や宴会酒に最適だ。ただ、軽快感があるため、“菊姫らしくない”と感じるのも事実だ。飲み進めていくと、最初に感じた辛みは後ろに隠れ、酸旨酒となる。

 美味しい燗酒だったが、冷酒だとどんな味のお酒なのか知りたくなり、冷酒でも飲んでみる。冷酒は、旨みあり、酸が適度。そしてキレが良い、と感じた。冷酒から飲み始めると、違った感想になったのだろうが、これはいたしかたない。ただ、燗酒にすれば、冷酒のときより味がふくらみ、甘旨みが良く出てくるように感じた。いずれにせよ、冷酒でも燗酒でも、とても普通種とはおもえない、1ランクも2ランクも上の味わいに感じた。

 瓶の裏ラベルには「菊姫は『濃醇旨口』。じっくり熟成させて、旨みをのせています。だからほんのり黄金色」と書かれている。しかし、今回のお酒は濃醇とはおもわなかった。ボディーがミディアム(中くらい)の旨口酒だと感じた。

 蔵のホームページはこの酒を以下のように紹介している。

「『原料米』『醸造』『熟成』にこだわる菊姫の味わいを手頃な価格でお楽しみいただける、毎日の晩酌に最適の普通酒です。お燗をすることでその特長がより一層冴えわたります。また、料理との相性は幅広く、心は和み疲れが癒されます。ナッツやカラメルを連想する穏やかな香りと優しくマイルドな味わい」

 裏ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)醸造アルコール、アルコール分14度、製造年月2022.9」。このほかホームページでは、以下のように開示している。「原料米    山田錦 五百万石 糯米他、精米歩合    70%、熟成年数 1~2年(複数年ブレンド)、味わい 中庸タイプ」。

 酒名「菊姫」の由来について、「日本の名酒事典」は「創業は天正年間(1573~1592)。酒名は加賀の菊酒の伝統を受け継ぐ酒として、霊峰白山の女神、菊理媛(くくりひめ)にちなむ」と説明している。