【インド】森永乳業、バングラで育児用粉ミルクを販売へ[食品]

2022年12月09日
NNANNA

森永乳業は8日、バングラデシュで育児用粉ミルクの販売を12月中に始めると発表した。販売地域は主要都市であるダッカ(首都)やチッタゴンを中心とし、全土に順次拡大。2030年をめどに年間売上高10億円を目指す。森永乳業がバングラデシュで事業展開するのはミルク以外を含めて今回が初めて。

森永乳業によると、0~6カ月児向けの「BF—1」、6~12カ月児向けの「BF—2」の2商品(各400グラム)を販売する。ともに母乳に含まれる成分「ラクトフェリン」を配合し、希望小売価格(税別)は860タカ(約1,150円)。現地では高価格帯に当たる。販売開始は12月末ごろを予定している。

2商品は、オランダの委託会社が製造し、販売代理店契約を結んだバングラデシュの薬販売会社が販売する。薬販売会社がつながりを持つ薬局やスーパーに並べてもらう上、産婦人科施設でも積極的に使ってもらいブランドの認知・信頼度アップを図る。バングラデシュの育児用ミルク市場は現在、スイスの食品大手ネスレがさまざまな価格帯の商品を展開し、市場シェアの半分以上を握っている。

バングラデシュ参入は数年前から検討を開始。21年時点で人口約1億6,500万人を抱え、年間出生数は約289万人。ここ10年の実質国内総生産(GDP)成長率も年平均6%台で、大きな市場ポテンシャルを持っているとして参入を決断した。

森永乳業は現在、パキスタン、インドネシア、ベトナム、マレーシアなどアジア5カ国で育児用粉ミルクを販売している。29年3月期までに、同社全体の売上高の海外比率を15%以上にすることを目標にしている。広報担当者はNNAの取材に対し、「バングラデシュを含め、アジアの栄養インフラの構築に引き続き貢献したい」と話した。

バングラデシュで販売予定の育児用粉ミルク(森永乳業提供)
バングラデシュで販売予定の育児用粉ミルク(森永乳業提供)