ジョージア大が2年連続全米王者へ前進 米大学フットボール第14週


全米大学体育協会(NCAA)2022年シーズン第14週(12月2、3日)は、FBSの各カンファレンスチャンピオンシップが各地で行なわれ、上位校の明暗が分かれた。
(注)文中の順位はAP通信(記者投票)ランキング
▽ジョージア大、2連覇へ前進
ランキング首位のジョージア大(サウスイースタンカンファレンス=SEC東)は14位ルイジアナ州立大(LSU、SEC西)とのSECチャンピオンシップに50―30で勝利し、13戦全勝で2季連続の全米チャンピオンにまた一歩前進した。
ジョージア大は第1クオーター(Q)終盤、4年生DBクリストファー・スミスがLSUのFGをブロックしたボールを拾うと、97ヤードのリターンTD、ディフェンスのビッグプレーがチームを勢いづけた。
この後、LSUのロングパスで同点にされると、ジョージア大はオフェンスが全開。ハイズマン賞候補のQBステットソン・ベネットが4人の異なるレシーバーにTDパスを決め、35―10とリードを広げた。

後半、ジョージア大はランプレーの比重を増やし、ロングドライブから4年生のエースRBケニー・マッキントッシュがTDを重ねて勝利を動かぬものにした。
ジョージア大はこの日遅くに発表されたカレッジフットボールプレーオフ(CFP)最終ランキングでも1位になり、CFP準決勝(12月31日)のピーチボウル出場が決定。対戦相手は4位に浮上したオハイオ州立大(ビッグ10)となった。
CFPの4枠を見据えた上位校の戦いはこのほか、2位のミシガン大はパデュー大とのビッグ10カンファレンスチャンピオンシップを43―22で制した。
QBのJJ・マッカーシーが2TDパスを決めるなど14―13で前半を終えたミシガン大は、第3Qから負傷欠場のエースランナー、ブレーク・コラム不在でRB陣が奮起。とりわけトータルで185ヤードを走ったRBドノバン・エドワーズが勝利を引き寄せた。

ミシガン大はCFPランキングでも2位をキープし、CFP準決勝(12月31日)のフィエスタボウルで3位テキサスクリスチャン大(TCU)と対戦する。
一方、明暗が分かれたのはTCUと8位南加大。両校はそれぞれ同じチームとの再戦に屈したが、反映されたCFP最終ランキングの評決は好対照となった。
12連勝中だったTCUは、ビッグ12チャンピオンシップで11位カンザス州立大に28―31で今季初黒星を喫した。第4Q残り1分51秒、TCUはQBマックス・ドゥーガンがエンドゾーンに飛び込むと、2点TFPも成功して同点、タイブレークに持ち込んだ。
先攻のTCUは無得点に終わり、カンザス州立大は31ヤードFGを決めてビッグ12タイトルを奪取した。ただ、敗れたTCUには吉報が届いた。CFPランキングで3位に留まり、ミシガン大とのCFP準決勝(フィエスタボウル)が決まった。

12月2日に唯一行なわれたパック12チャンピオンシップでは、南加大が今季、唯一の黒星を喫していた7位のユタ大に24―47で返り討ちにあった。
第4Q10分51秒、南加大はハイズマン賞有力候補のQBケレブ・ウィリアムズのTDパスで24―27と迫ったものの、この後はユタ大に3シリーズ続けてTDを奪われ、射程圏内にあったCFP進出を逃した。
アトランティックコーストカンファレンス(ACC)では10位クレムソン大(大西洋)がノースカロライナ大(沿岸)を終始圧倒、39―10で快勝した。
クレムソン大は開始2シリーズ後、前週から不調の司令塔、DJ・ウィアガレレイに代えてケード・クラブニクを起用。新人QBは24回試投で20回成功、279ヤード1TDパスと勝利に導いた。

パワー5以外のカンファレンスチャンピオンシップでは、アメリカン体育連盟(AAC)で14位のチュレーン大がセントラルフロリダ大を終盤に引き離し、45―28でくだした。

浅岡 弦 (あさおか・げん)プロフィル
1957年生まれ。駒澤大学でOG、ラインバッカーとしてプレー。卒業後はコーチ、スタッフとして活動。AFCA(アメリカンフットボールコーチズアソシエーション)元海外会員。ベースボール・マガジン社の『アメリカン・フットボールマガジン編集部』在籍中から国内学生、NCAAフットボールのレギュラーシーズン、ボウルゲームを取材。ケーブルテレビのカレッジフットボール番組のコメンテーターを長く務める。