メニュー 閉じる メニュー
地域

地域

【4237】自然郷 特別純米 BIO 荒走り 無濾過無加水(しぜんごう)【福島県】

2020.6.2 16:12
福島県西白河郡矢吹町 大木代吉本店
福島県西白河郡矢吹町 大木代吉本店

【S居酒屋にて 全12回の⑩】

 仕事で知り合った飲み仲間TとA、そしてわたくしと元同僚のW。この4人で飲み会を開いた。場所は銀座のS居酒屋。キャパが大きく、置いている酒の種類も非常に多い。フロアマネージャーのような方は酒にめっぽう詳しい。酒の勉強をするのにもってこいの店だ。お酒はフロアマネージャー的なSさんにすべてお任せだ。

「ゆきおんな」「初亀」「天明」「魔斬」「御慶事」「楯野川」「真稜 至」「大倉」「若波」と飲み進め、10番目にいただいたのは「自然郷 特別純米 BIO 荒走り 無濾過無加水」だった。大木代吉本店のお酒は、当連載でこれまで、5種類を取り上げており、うち3種類が「自然郷」、2種類が「楽器正宗」。酸が立つしっかりした味わいのお酒という好印象を持っている。今回のお酒は「自然郷 特別純米 BIO」(当連載【2992】)の荒走りバージョン。さて、いただいてみる。

 A 「これ好き。これ美味しい」
 W 「旨みが強い。これも旨い」
 A 「ぐいぐいイケそうな感じ。クセがない」
 W 「これ、最初から旨いもんね。これ、アリだ」
 A 「アリですね」
 酒蛙「旨・酸・辛がよく出ている。中でも酸が力強く、中盤から余韻にかけては辛み。余韻の辛みが長い。超押味。香りがやや複雑で表現不能。微発泡が舌先を刺激する」

 瓶の裏ラベルは、この酒を以下のように紹介している。「原料米や麹など素材の味わいを生かすため、生酛系酒母で仕込み、無濾過・無加水で仕上げました。ラベルに記載義務のない加工助剤は一切使用しておりません(酵素剤、醸造乳酸、オリ下剤など)」

 また、蔵のホームページは、この酒を以下のように紹介している。「当社独自の手法で育てた生酛系酒母を用いて醸した特別純米酒。後口に広がるキレのある甘み・旨味と乳酸菌の働きに由来する酸のバランスの良さが特徴です。また、本商品はもろみを搾って流れ出てくるお酒のうち、最初の部分(荒走り)だけを選んで瓶詰めしております。出荷時期 11月〜12月頃」

 裏ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米麹(国産米)、精米歩合60%、アルコール分15度、製造年月2019.12」にとどまり、使用米の品種名が非開示なのは残念だ。しかし、蔵のホームページは「使用米 福島県産『夢の香』」と開示している。

 使用米の「夢の香」(ゆめのかおり)は、福島県農業試験場が1991年、母「八反錦1号」と父「出羽燦々」を交配、育成と選抜を繰り返し品種を固定。2000年に命名、2003年に種苗法登録された酒造好適米だ。

「自然郷」について、蔵のホームページは以下のように紹介している。

「『自然郷』は、四代目大木代吉が米だけを原料とする本来の酒造りを目指したことに始まります。地域の農家と契約し当時としては珍しい農薬を使用しない米だけを使い醸造を開始。1974年(昭和49年)矢吹の豊かな自然への謝意を込めて『無添加酒-自然郷』として発売しました。
当時は「純米酒」という言葉も無く、消費者に受け入れられるまで時間を要しましたが、その後の日本酒の本物志向の高まりとともに『自然郷』は、純米酒の先駆けとして愛好家の間で広く知られるようになりました」

 酒名「自然郷」の由来について、日本の名酒事典は「酒名は、郷の自然の中で有機農法米を原料に、添加物を使用せずに造った酒の意で名づけられた」と説明している。

関連記事 一覧へ