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【3913】ORBIA 太陽 SOL(オルビア ソル)【千葉県】

2019.8.14 22:32
千葉県いすみ市 木戸泉酒造
千葉県いすみ市 木戸泉酒造

【日本酒研究会月例会 全6回の⑥完】

 異業種間の日本酒研究会。単なる飲み会だが、ちょっと気どって研究会だ。足掛け13年目に突入した超長寿飲み会。毎月、M居酒屋で開いてきたが、この間、一度も休まず飲んできた。みなさん、なんと研究熱心なことか。今回は異動で着任した新メンバー1人を加えた6人での月例会となった。

 店主が「萬歳北一 純米 醇」「クラシック仙禽 無垢 2019 生酛」「七本鎗 生酛純米 生酒」「鍋島 Summer moon 吟醸」「竹雀 生もと 純米 無濾過生原酒 野網米」に続いて、最後6番目に持ってきたのは「ORBIA 太陽 SOL」だった。

 この酒は以前、B居酒屋で飲んだことがあり2017年12月2日、当連載に【3161】の通し番号で掲載した。しかしいま、読み返すと、重大なことを書いていなかったので、あらためてここで書き直すことにする。

 M居酒屋店主から聞いて初めて認識したのだが、この酒の販売元はベンチャー企業だったのだ。よく見ると、裏ラベルの下方に「開発・販売者:株式会社WAKAZE、所在地山形県鶴岡市」と書かれていたのだ。当時、わたくしの目にその部分が入らず、その下の「製造場 木戸泉酒造株式会社 千葉県いすみ市」しか目に入っていなかったのだ。

 あらためて、WAKAZEのホームページを見ると、社の理念として以下を掲げている。「日本酒を世界に広めることを目指し、活動しているチーム『WAKAZE』。酒蔵の若手従業員を指す『若勢』と、『和の風』の意味があります。若者の視点から日本酒文化に風を吹き込み、日本酒を世界に誇れる文化と育て上げて行きたいと考えています」

 日本酒を世界に売り込もう、と山形県鶴岡市のベンチャー企業が、千葉県の木戸泉酒造に委託醸造してもらった、ということだったのだ。木戸泉酒造は以前から強酸酒を醸してきたので、この会社の理念と会い、コラボレーションが成立したものとみられる。

 酒造りには蔵を持たなければならない、という固定概念があったとおもうが、この概念を見事に打ち破った。考えてみれば、委託醸造はよくある話で、自主経営が出来なくなった蔵が、よその蔵に醸造してもらうケースや、地方の三セクが名品開発のため酒を造ってもらうケースなどみられる。しかし、今回ほど本腰を入れての委託醸造は初めてではないだろうか。ありうる発想だが、それを形にしたのがWAKAZEというわけだ。

「グラスに注ぐと色が黄色。上立ち香はシェリー酒似。含んだら、仰天腰を抜かした。モロ梅酒というか梅干しというか、しょっぱいというか、酸っぱい。酸のパンチが強い。しかし、旨みはあるので、しっかりしたボディー感。余韻は苦みがすこし」。これは、当連載【3161】での、わたくしの感想。今回のみなさんの感想は以下の通り。

 酒蛙「上立ち香はアンズ。含むと非常に酸っぱい。まるで梅干し。卒倒するほど酸っぱい」
 Y 「オーク樽を使っているんだってさ」
 S 「ボディーの重さを感じる」
 酒蛙「強酸だけでなく、甘みも出ている。酸が非常に強いので目立たないが」
 S 「酸と甘みに個性を感じるなあ」
 M 「これ、果実酒ですね」
 S 「うむ、この酒、面白い!!!」
 酒蛙「面白いけど酸っぱい。酸っぱいけど面白い。脂こってりの肉料理に最適かも。世界戦のライバルはワインだね」

 瓶の裏は、この酒を以下のように書説明している。

「洋食とペアリングするために生まれたオーク樽熟成の日本酒《ORBIA》」
「3つの特徴 酸と甘みがもたらす『ボディ』×『個性』×オーク樽がもたらす『芳醇な香り』」
「ラテン語で太陽を意味するSOL(ソル)。通常の10倍の酸の強さに対し、樽熟成が円味と落ち着きを与えました。また、赤ワイン樽由来のフルーティ且つ複雑な香りも特徴のお酒です」
「全国にも類を見ない『高温山廃一段仕込み』という60年以上続いてきた伝統技法を受継ぎ深めつつ、オーク樽熟成という挑戦をすることで生まれたのが《温故知新の酒・ORBIA》のSOL(ソル)です。照りつける太陽を想起させるフレッシュな酸味とフルーティーな香りをお楽しみ下さい」

 ベンチャー企業WAKAZEのホームページはこの酒を以下のように説明している。
   ◇
《洋食とペアリングするために開発された日本酒「ORBIA」》
■3つの特徴
酸と甘みがもたらす「ボディ」と「個性」、オーク樽がもたらす「芳醇な香り」
ORBIAは、「十分なボディの強さ」と「食中に楽しめる香り」をテーマとし、「酸・甘の個性」×「オーク樽熟成」を活かした、洋食とペアリングできる全く新しい日本酒です。
①酸と甘みによる十分なボディ
-お米由来の自然で豊かな酸味と甘味は、料理の持つ油脂分やソースの強い風味とバランスします
②程よい熟成感・円味
-酸味や甘味の個性は、樽熟成を通じてもたらされる円味により、飲み続けられる柔らかな印象となります
③オーク樽由来の芳しい香り
-ワインで使用したオーク樽ならではのフルーティーな香りと、中をローストしてあることでのバニラやハチミツなどの甘い香りが奏でるハーモニーが広がります
【SOL(ソル)】
《照りつける太陽を想起させるフレッシュな酸味とフルーティーな香り》
■味わい:通常の10倍ほどのしっかりとした酸味、樽熟成による円味と落ち着き
■香り:赤ワイン樽由来のフルーティ且つ複雑な香り
■合わせる料理:バルサミコソースを使ったポークソテーなど、油脂分や味の濃さが特徴の料理
■容量:500ml
■スペック:アルコール度数:14% / 酸度:10.5 / 日本酒度:-32
■原料:酒米:総の舞(千葉県産) / 麹:黄麹 / 酵母:きょうかい7号(泡あり)
■特徴的な製法:高温山廃一段仕込、オーク樽熟成
    ◇

 瓶の表示は「原材料 米(千葉県産)米こうじ(千葉県産米)、原料米 総の舞100%(麹米・掛米ともに)、精米歩合65%、アルコール分14%」。近年、ひとつの流れになっている低アルコール酒だ。洋食と合わせることを目指したので、アルコール分もワインを想定して設計したものとおもわれる。

 原料米の「総の舞」は、千葉県農業総合研究センター育種研究所が1993年、母「白妙錦」(その母は「玉栄」)と父「中部72号」を交配。育成と選抜を繰り返し開発、2004年に種苗法登録された酒造好適米だ。

 醸造元木戸泉酒造の酒名や蔵名の「木戸泉」の由来について、蔵のホームページは「この地で造り酒屋を始めた明治12年(1879年)。屋号である『木戸』に酒をあわらす『泉』で『木戸泉』を銘柄としてきました」と説明している。

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