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地域再生大賞

地域再生大賞とは地域づくりに取り組む団体にエールを送ろうと、地方新聞社と共同通信社が2010年度に設けた。各紙が都道府県から原則1団体ずつ計50団体を推薦し、専門家でつくる選考委員会が審査にあたる。これまでに表彰した団体は計400団体に達した。活動分野は産業振興や景観保護、子育て支援など多彩で、地域を考える輪が広がっている。

表彰団体の活動報告はこちら

講評

原動力は住民の力 変化しながら発展へ

岡本義行(おかもと・よしゆき)・選考委員長(法政大大学院教授)の講評

岡本義行氏

 今年も各地域から50の素晴らしい取り組みが寄せられた。第1段階の審査は地域ブロックごとに進められるが、今年の特徴は、いくつかの地域で例年以上の激戦が見られたことだ。しかも水準の高い競争だった。

 「地方創生」は政府の看板施策であった。昨年から政府の最重要課題が「働き方」に移ったが、「地域再生」は地方にとっては永遠の課題である。地方の再生や活性化は政府・自治体の政策だけで果たすことは、かなわない。政府・自治体の政策は「引き金」や「基盤」でしかない。実際の「地域再生」の原動力は住民の「力」であり、地域産業の競争力である。そうした観点から「地域再生」に向けた人々の活動は健在である。

 今年は第8回になるが、入賞した取り組みは、ある種の傾向がある。取り組みには歴史が必要なのだろう。途中で形態や担い手が変わりながら活動を紡いできた取り組みがほとんどである。また以前に入賞した団体も現在はさらに進化している。これは驚きである。

 各地域の課題は、言うまでもなく異なる。他方、地域の資源にも違いがある。入賞した取り組みを簡単に模倣することは難しいが、モデルとしてエッセンスをまねることは、これからの「地域再生」にとって非常に重要であろう。


タレント、大桃美代子(おおもも・みよこ)氏の話

大桃美代子氏

地域残しが地域おこし
 人口減少や高齢化、過疎といった問題を抱える地域で、いかに知恵を出し行政に頼らず地域を維持するか。地域残しが地域おこしと痛感させられる取り組みが多くあった。経済効率だけで幸せは測れない。何とかしたいという熱い思いが伝わる地域は、住む人の人生を豊かに変える。夢を語る大人を応援したいと思える事例ばかりだ。


藤波匠(ふじなみ・たくみ)・日本総合研究所上席主任研究員の話

藤波匠氏

地域文化へ発展を期待
 どの取り組みも甲乙つけがたく、審査は最後まで難航した。大賞や準大賞を逃した取り組みの中にも大賞に匹敵するものがあったと確信している。どれも地域課題に真剣に向き合い、さまざまな困難を乗り越え、一定の成果を上げている。それらが一個人や一組織の頑張りに過度に依存することなく、地域の文化となることを期待している。


沼尾波子(ぬまお・なみこ)・東洋大教授の話

沼尾波子氏

ノウハウ、資源を共有
 コミュニティー看護師育成や子ども食堂ネットワークなど、地域を超えた再生への取り組みが印象に残った。ノウハウや資源が地域を超えて共有され、新たな場所で活動を始める人々も利用できる社会インフラとなっている。多くの人々が豊かなノウハウを学びたいと、先駆者のいる地域を訪れる。開かれた地域再生の可能性を見た。


伊藤祐三(いとう・ゆうぞう)・共同通信企画委員兼論説委員の話

伊藤祐三氏

ヒントに満ちた活動
 地域づくりの時間軸は長い。5年、10年どころか、一世代かかることを覚悟して始めた例もある。しかも、最初から成果を見通せる取り組みは、ほとんどない。取り組みを軌道に乗せて息長く続けるためには、周囲の多くの人から共感を集めることが必要だ。受賞団体が培った知恵と工夫は、そのヒントに満ちている。