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地域

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地域再生大賞

地域再生大賞とは地域づくりに取り組む団体にエールを送ろうと、地方新聞社と共同通信社が2010年度に設けた。毎年、各紙が都道府県から原則1団体ずつ計50団体を推薦し、専門家でつくる選考委員会が審査にあたる。18年度の第9回までに表彰した団体は計450団体に達した。活動分野は産業振興や文化・伝統の保護、子育てや介護など多彩で、地域づくりを考える輪が広がっている。

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講評

自由な創意工夫で挑む 地域にネットワーク築く

岡本義行・選考委員長(法政大特任教授)の講評

岡本義行氏

 今回も各地から推薦された団体の取り組みは素晴らしい。周囲を見ても、こうした例はなかなか見つからない。
政府の地方創生施策は一定の形が要件になっている。例えば「まち・ひと・しごと創生」やDM0(観光地域づくり推進法人)と呼ばれる政策だ。ただ、地域資源は北海道から沖縄まで多様。それを施策や資金の中で、地域独自に「料理」しなくてはならない。

 地域再生大賞の取り組みは、枠組みがない代わりに資金もない。地域の問題に自由な創意工夫で挑んでいる。知恵や努力と、時には個人的な資金を投入する例もある。人と人とのつながりが必要だ。それが地域に人間関係、ネットワークを新たに築くことになる。

 こうしたつながりがコミュニティーの基盤だ。この関係はソーシャルキャピタル(社会関係資本)と呼ばれ、各国で研究されている。他人を信頼し協力できる関係は幸せな社会だ。世界中の壁は、こうした関係がつくれないために生まれる。

 新しいタイプのコミュニティーの構築に多くの地域は腐心する。子育てや移住・定住に、コミュニティーは大きな役割を果たしている。それぞれの取り組みはコミュニティー形成のステップになっているように見える。


タレント、大桃美代子氏の話

大桃美代子氏

共存目指す地域づくり
 2018年を表す漢字は「災」とされた。災害からの復旧・復興に立ち上がり、踏ん張る姿が各地にある。経験は10年後、20年後にソーシャルビジネスとして地域を支える。競争でなく共存し地域をつくる。「誰かのために」の優しさが根底にある強さ。優しさは強さだ。受賞団体には困難の乗り越え方のモデルが詰まっている。


藤波匠・日本総合研究所上席主任研究員の話

藤波匠氏

弱者支援は地域の活力
 近年、ノミネートされた団体には、経済的活力の源になると同時に、目の前の社会的課題と相対する取り組みが目立ち始めた印象がある。ともすれば、私たちが視界の外に置きがちな社会的弱者を粘り強く支援する活動は、長い目で見れば、全ての方に暮らしやすく活力ある地域をつくる力にほかならない。


沼尾波子・東洋大教授の話

沼尾波子氏

団体の活動に深化
 つながりの再構築に取り組む団体が印象に残った。人口減と少子高齢化、単身家族の増加で新たな助け合いの仕組みが模索される。移住者や外国人住民との関係づくりも課題だ。実情の丁寧な把握への取り組みや、事情に応じた多様な参加の仕組みの用意、活動資金を稼ぎ地域経済の循環を生み出すなど、各団体の活動に深化が感じられた。


伊藤祐三・共同通信企画委員兼論説委員の話

伊藤祐三氏

地域づくり、新段階に
 高齢者や障害者、長期欠席の子どもたちと手を取り合う活動が注目を集め、多様化する地域社会への対応がキーワードになっていることを示した。課題を乗り越えるためのしなやかな戦略は、行政とはひと味違う地域の知恵だ。工夫を凝らした取り組みが広がり、地域づくりは新たな段階に入ったといえる。