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地方新聞社と共同通信社が設けた「地域再生大賞」の表彰団体は、18年度の第9回までに計450団体に達した。それぞれの課題に向き合い、それぞれの地で活動を続けている表彰団体の今を紹介する。

特別編・受賞団体の活動報告③ 「いいだ人形劇フェスタ実行委員会」(長野県飯田市、第6回ブロック賞)

2017.7.21 13:48
四半世紀を経て多彩な人形劇が集まるお祭りに
四半世紀を経て多彩な人形劇が集まるお祭りに

 

 ▽原田雅弘・いいだ人形劇フェスタ実行委員長

 人形劇のお祭りに関わり四半世紀たった。始めた1990年ごろ、まちづくりのイベントとして音楽や演劇でもいいのではと話したことがあった。しかし、今になると人形劇でなくてはダメだったと思うし、これだけ長く続くこともなかった。

 ▽支える人が主役に

 人形劇は演じる人や見る人が必要だ。しかし、それだけでは成り立たない。会場の設営やお世話をする支える人がいなくてはならない。演じる人、見る人、支える人の3者で初めて成立する。支える人が主役になれるお祭りにというのが、私たちの強い思いだった。それぞれの役割を果たして喜びを分かち合う。そんな場所にと考えてきた。
 前身として、1979年から始まった「人形劇カーニバル飯田」があり、20回を機に終了した。ボランティアによる運営ができるのかという声もあったが、いろんな人に参加してもらい、次の年から市民主体によるフェスタが生まれた。
 飯田市は、江戸時代から続く人形浄瑠璃の座が活動するなど、伝統芸能を引き継いできた。これは人形劇が定着する素地となった。もう一つは、盛んな公民館活動だ。地域の人がサークルや文化祭を行っており、人形劇のお祭りを担うことにもつながっている。
 フェスタは毎年8月に行う。会場は約130あり、上演数は約520になる。山の中の小さな集落も含め、市内全域で行われる。畳敷きの集会所や体育館、神社の境内などさまざまだ。上演の希望は年々増えており、日程を4日間から6日間に延ばした。人形劇のお祭りとしては日本最大の規模であり、世界的にみても例がないと思う。

さまざまなスタイルの人形劇があちこちで上演される
さまざまなスタイルの人形劇があちこちで上演される

 

 ▽世代で分かち合う祭りに

 演じる人、見る人、スタッフも全員がワッペンを購入し参加する。9割の上演は、このワッペンで見られる仕組みだ。特色のある活動を行っている地域にスポットを当てた特集を組み、海外から参加する劇団もある。
 前身のイベントから数えると、2018年に40年を迎える。初回に来た親子は、おばあさんとお母さんになり、さらに子どもの手を引いて参加する。3世代、4世代が分かち合う地域の祭りはすごいことだと思う。
 毎年、ボランティアに参加する中学、高校生がいる。卒業後、就職や進学で多くが市外へ出るが、夏休みに帰りフェスタに参加してくれる。ある子どもは「これから飯田へ出発する。私の夏が始まる」と、フェイスブックに書いた。「飯田で就職先はないかな。条件は一つ、フェスタに参加させてくれること」と話す子もいる。フェスタは仲間との出会いの場になっている。そうした子どもを育ててきたことが最大の成果ではと思う。
 飯田市は人形劇のまちといわれる。365日に広げるために、人形劇のセンターを立ち上げ、セミナーを行い市民の手で人形劇も作ってきた。世界の人形劇フェスタなどの計画もある。一度、来られて「熱い夏」を体験してもらえればと思う。          (共同通信社 伊藤祐三)

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