【5158】日置桜 Autumn Leaves 枯葉 純米(ひおきざくら)

2023年03月31日
酒蛙酒蛙
鳥取県鳥取市 山根酒造場
鳥取県鳥取市 山根酒造場

【TU会 全6回の➁】

 異業種間交流利き酒会の「TU会」。前回は訳あってE居酒屋で開いたが、今回はいつも通りホームグラウンドのB居酒屋での開催となった。10人が集い、いつになくにぎやかな例会となった。

 トップバッター「豊漁 江戸時代復刻銘柄 純米 辛口 無双」に続いていただいたのは「日置桜 Autumn Leaves 枯葉 純米」だった。「日置桜」は当連載でこれまで、4種類を取り上げている。さて、いただいてみる。

 酒蛙「おおっ、酒の色が黄色い。古酒のような香りがする」
 KO「上立ち香の古酒的香りは、直前に飲んだ『豊漁』の方があり、含み香はこちらの方が立つ」
 酒蛙「まさしくそうだ!」
 KO「俺、腕上がったね(^_^)」
 SI、HI「紹興酒っぽいね」
 酒蛙「同感だ。酒名の『枯葉』じゃないけど、枯れた味わいだ(苦笑)」
 W 「直前に飲んだ『豊漁』より後味があるからいい」
 酒蛙「さっぱりとした口当たり。甘み少なく、旨みはほどほど、酸味は『豊漁』よりある。辛みはスペックの+10.5ほど超辛には感じないが辛口酒であることには違いない」
 SU「最初、驚いたが、慣れるとけっこういいね」
 KO「後味が酒っぽいね」
 酒蛙「クラシックタイプのライトボディ寄り。あるいは爽酒的熟酒」

 仰天したのは、シャンソンの名曲で、ジャズでも多く取り上げられている「枯葉(Autumn Leaves)」を酒名に掲げていること。これについて瓶の裏ラベルは、以下のように説明している。

「酒造りを曲作りに当てはめ、コード進行理論で酒造りを捉えた企画商品です。此の酒は、ジャズの短調の曲の代表ともいえる『枯葉進行コード』を解析して製造工程に落とし込み、哀愁ある味わいの醸出を狙った純米酒となります」

 しかし、「枯葉進行コードを解析して製造工程に落とし込み」という部分がさっぱり分からない。もっとみんなが分かるような説明が必要だ。蔵元さんが自分だけ分かってもいけません。

 島根県松江市の地酒専門店「ひとしずく」は以下のように、もうすこし具体的に説明している。

「ジョゼフ・コズマによって作曲された『枯葉』から、枯葉コードと呼ばれるコード進行理論が派生しました。今回の商品は、この枯葉コード進行の音階からイメージした味のトーンのスケールを決め、そこから原料米・生産者・使用酵母をセレクト。あとは雰囲気と流れの中で仕込みと熟成を促すという何ともJazzっぽい酒造りなったわけですが、意外とこのいい加減さがツボにはまったように思っております」

 しかし、この説明でもよく分からない。

 わたくし、カノンコードは知っていたが、「枯葉コード」は知らなかった。メンバーのKAだけが知っていたようで、紙にボールペンで「枯葉コード」を書き記し、みんなに披露していたが、みんなは「???」。

 ネット情報によると、枯葉コードは「Cm7→F7→B♭M7→E♭M7→Am7(♭5)→D7→Gm7」というおしゃれなコード進行。中でも、最初の1~3小節が最大のポイントなんだそうな。

 さて、瓶の裏ラベルのスペック表示は「原料米 非公開、精米歩合80%、使用酵母 非公開、日本酒度+10.5、酸度2.2、アミノ酸度2.1、製造年月2022年10月、原材料 米(鳥取県産)米麹(鳥取県産米)、アルコール分15度」

 酒名「日置桜」の由来について、コトバンクは「酒名は、所在地の旧称を日置郷といい、桜の名木があったことに由来」と説明している。

  また、蔵のホームページは「冬、雪深い当地には、旧正月の頃満開となる桜の名木があり、春を待つ心に酒を酌み交わす意を込めて『日置桜』と名づけました」と説明している。