【5140】原田 特別純米 山田錦(はらだ)【山口県】

2023年03月22日
酒蛙酒蛙
山口県周南市 はつもみぢ
山口県周南市 はつもみぢ

【H会 全5回の④】

 なじみのH居酒屋の店主が、「お客さまからの提供酒がいくつかあるので、それを飲む会を開こう」と常連客に呼びかけた。こうして集まったのが常連客5人。名付けて「H会」。常連なのに初顔合わせの人もおり、なかなかユニーク。これからも不定期で開催される予感がする。今回はその1回目。

「丹澤山」「浜娘」「旦」と飲み進め、次にいただいたのは「原田 特別純米 山田錦」だった。「原田」は、当連載でこれまで、4種類を取り上げている。しっかりした味わいのお酒、という印象を持っている。今回のお酒はどうか。

 開栓したら、「ポン!!!」と大きな音を立て、栓が飛ぶ。火入れなのに、グラスに気泡。瓶内発酵のガスが瓶の中に充満していたようだ。さて、いただいてみる。

 酒蛙「複雑な果実香。とろみのある口当たり。モダンを絵に描いたような甘旨酸っぱい味わいのお酒で、極めてジューシー。味にメリハリがある。余韻は苦み。『旦』に似た酒質だが、『旦』よりすっきりシャープな口当たり」
 O 「そうそう。酸も『旦』よりあるね。『旦』は飲み飽きする部分があるが、これは飲み飽きしない」
 A 「しゅわしゅわを感じる」
 酒蛙「本日一番のモダンタイプ。ボディーはミディアム。あるいは醇酒」
 O 「(ガスによる)ピリピリを感じる。飲み飽きしない酒だ」
 A 「お代わり!!!」
 みんな「(笑)」

 蔵のホームページはこの酒を「スッキリとしたのどごしで、コクと米の旨味の余韻を感じる特別純米酒。やや辛口で肉料理にも負けない力強さをあわせ持つさわやかな一品。冷でもぬる燗でも楽しめます」と紹介している。なお、わたくしの口には辛口には感じなかった。

 瓶の裏ラベルのスペック表示は「令和4BY、第18号仕込み、原材料名 米(山口県産)米麹(山口県産米)、精米歩合60%、原料米 山田錦100%、アルコール分16度、製造年月2023.1」。

 酒名「原田」は蔵元さんの名字。この蔵の以前からの銘柄は「初紅葉」(はつもみぢ)。その由来や、この蔵の「物語」について、周南市のホームページは、以下のように説明・紹介している。

「周南市の中心市街にある繁華街にある酒蔵『はつもみぢ』は、江戸時代後期、1819年創業の老舗。社名は、酒を飲んでほおがほんのりと赤くなる様子を、色づく紅葉にたとえて詠んだ和歌から取ったかつての定番商品の酒名『初紅葉』に由来します。実はこの酒蔵、1973年頃から日本酒の人気が下がりはじめたこと、そして、バブル景気により業務用酒販の需要が高まったことを理由に、1985年から約20年間、酒造りを休止していました。しかし、2005年、十二代目蔵元で現在の代表取締役社長である原田康宏さんによって酒造りは再開。原点回帰の意味も込めた『原田』という名の酒が誕生しました」