【5050】惣邑 純米 ひやおろし(そうむら)【山形県】


【TU会例会 全3回の①】
コロナ第8波による新規感染者数が減少傾向に転じる中、異業種間交流利き酒会のTU会は、感染防止対策を万全にしたうえで例会を開いた。コロナの減少傾向を反映してか、今回はいつもより多い10人が参加した。場所はいつものB居酒屋。
今回のトップバッターは「惣邑 純米 ひやおろし」だった。長沼合名のお酒は、当連載でこれまで、3種類を取り上げている。「惣邑」には、おとなしいお酒という印象を持っている。今回のお酒はどうか。いただいてみる。
酒蛙「上立ち香は、すこしフルーティー。梨のニュアンス」
SU、SI「やさしいお酒だ」
KT「ちょっと原酒っぽいね。とろみを感じる」
W 「辛みを感じる」
酒蛙「旨酸っぱい。酸が良く出ておりジューシー感あり」
KW、SA「飲みやすい」
TU「酸が強い。最後にえぐみのようなものを感じる」
酒蛙「最後は苦みがすこし。きれいな酒質」
SU、SI「おいしいなあ」
SU「やさしく、すっとくる」
酒蛙「やわらかな口当たり。まろやか」
TU、KW「飲んでいると、だんだん辛みと苦みが強くなってきた」
酒蛙「そうそう。だんだん後味が辛・苦になる。最初に感じていた酸が、いつのまにか奥に引っ込んで、感じられないようになる。タイプはモダンとクラシックの中間、ボディーはミディアム。あるいは醇酒」
瓶の裏ラベルは、この酒を以下のように紹介している。
「円窓を覗くと、草木が踊り、うさぎが跳ね、桔梗の花が淑やかに咲く。秋の粧う山の声に、耳を傾けながら。
山形の美しい自然の中で育まれた県産酒米『出羽の里』を100%使用し、辛口ですっきりとした味わいに仕上げたひやおろしです。秋の夜長を彩る、特別なお酒をお楽しみください」
裏ラベルのスペック表示は「アルコール分16度、原材料名 米(山形県産)米麹(山形県産米)、原料米 出羽の里100%、精米歩合60%、製造年月2022.9」。
使用米の「出羽の里」は、山形県農業総合研究センター農業生産技術試験場庄内支場が1994年、母「吟吹雪」(その母は山田錦、その父は玉栄)と父「出羽燦々」(その母は「美山錦」、その父は「華吹雪」)を交配、育成と選抜を繰り返し品種を固定。2005年に命名、2007年に種苗法登録された新しい酒造好適米だ。
長沼合名会社を応援している、という「まるはち酒店」のホームページは、「惣邑」の銘柄の由来について、以下のように紹介している。
「長井市伊佐沢地区で手仕事に魅せられ、こだわりを持ちつつも肩ひじを張らずに物づくり(陶芸、漆工芸、獅子彫り工芸)を続ける職人達『手しごと衆・つくりと邑』がいる。『つくりと邑』の心と長沼家が代々受け継いできた『惣右衛門』とをひとつにし、手造りの酒の心を託し、(惣邑・そうむら)と命名」