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【4606】久保田 紅壽 純米吟醸(くぼた こうじゅ)【新潟県】

2021.7.28 23:03
新潟県長岡市 朝日酒造
新潟県長岡市 朝日酒造

【E居酒屋にて 全6回の⑥完】

 E居酒屋では「ちょい飲みセット」という企画を設けている。3種類の酒を60ML(たぶん)ずつグラスに入れ、お客さんに味比べ(利き酒)をしてもらおう、という趣向。その中に「ちょい飲み十四代セット」があった。嗅覚が並外れて敏感なちーたんが「十四代セット」に強い関心を示した。ならば、飲みに行こうじゃないか。

 当然、まずは「ちょい飲み十四代セット」から、だ。「十四代」の3種類セットをいただいたあと、「八鶴」「風の森」と飲み進め、最後6番目にいただいたのは「久保田 紅壽 純米吟醸」だった。この蔵のお酒は飲む機会が多く、当連載でこれまで、19種類を取り上げている。

 今回のお酒は11年前に当連載【147】で取り上げた「久保田 特別純米酒 紅寿」と同じだな、とおもって飲んだのだが、後日、違っていたことが分かった。同じ「紅寿」なのだが、11年前のスペックは特別純米、そして今回は純米吟醸だったのだ。つまりこの11年の間に「紅寿」は特別純米から純米吟醸にアップグレードしていたのだった。さて、アップグレードした「紅寿」を飲んでみる。

 ちーたん「きらびやかな香り」
 酒蛙「えっ??? 上立ち香はほのか、だよ。若干、セメダイン(酢酸エチル)に似たような若いバナナのような、そんな香りを感じる。含み香でも同じ香りを感じる」(このコメントは、テイスティングしたときのメモをそのまま書いたのだが、この記事を書くにあたり、蔵のホームページを見たら、この酒について『若いバナナや青リンゴのような清涼感のある香りが抜けていきます』と書かれており、腰を抜かすほど仰天した。というのは、わたくしのテイスティング結果が、蔵元さんのコメントと一致しないことが多いからだ)
 ちーたん「さらっとしている。あっさりとした味だ」
 酒蛙「甘旨みは心持ち少なめ。酸も同程度で、甘旨みと酸のバランスが良い。さらり、すっきりとした口当たりの、綺麗な辛口酒。余韻はかすかな辛みと苦み。ずっと、若いバナナのような含み香が続く」

 蔵のホームページはこの酒を以下のように紹介している。「辛味と酸味が調和し、やさしい口当たり・ほのかな甘味の中にドライさを感じる純米吟醸酒。若いバナナや青リンゴのような清涼感のある香りが抜けていきます。しっかりとした味付けの料理と合い、『久保田』ならではのキレが食欲を刺激します」

 瓶のラベルのスペック表示は「新潟県産米100%使用、原材料名 米 米こうじ、精米歩合55%、アルコール分15度、保存方法 冷暗所で保存、製造年月21.02.02」にとどまり、使用米の品種名が非開示なのは残念だが、蔵のホームページは、以下のように開示している。また、瓶のラベルに記載していないスペックも以下のように開示している。「原料米(精米歩合)麹米/掛米 五百万石 55%/新潟県産米 55%、アルコール分15度、日本酒度+2.0、酸度1.1、味わい・香りのチャート 香り中程度、味の軽重も中程度」

 21~22年前、一番最初に「紅寿」を飲んだときは、ガツンとした手ごたえを感じ、濃い旨みが口の中にふくらむという衝撃的な味わいだったことを強烈に記憶している。ところが11年前に飲んだときはガツンとくる酒ではなかった。純米酒なのに、軽快で、水の如くの抜群のキレの良さ。コメの旨みが十分感じられる、実にきれいで、優しい口当たり。自己主張を控えた“大人の”味わいに変貌を遂げていた。そして今回の純米吟醸は、11年前よりさらにすっきりとした口当たりのお酒に変身していた。考えてみれば、「久保田」は淡麗辛口を具現化したような銘柄だ。「紅寿」はデビューのころは路線からやや外れる異質の酒だったが、次第に淡麗辛口という王道路線に収斂されてきたようだ。

 酒名「久保田」の由来は何なのだろう。会社の名は朝日酒造。蔵元さんの名は平澤修さん。それなのに…。この疑問にホームページは、こうこたえている。「1830(天保元)年 現在地で酒造業を始める。屋号は久保田屋」。久保田は、屋号だったのだ。

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