予想裏切るしっとり食感 「こんにゃくシフォンケーキ」

その商品名を聞いたときに、しばし戸惑い、そして首をひねってしまった。
「こんなのあるんだ!大賞」東海・近畿ブロックで1位になった「こんにゃくシフォンケーキ」のことだ。
果たして、どんな食感なのか、そして、どんな味なのか、まるで想像がつかない。それもそうだろう。「こんにゃく」と言えば、歯ごたえしっかり。それに対し、「シフォンケーキ」はふわふわの食感。食材の特徴が明らかに矛盾しているのだ。
自分の舌ではとても分析できる自信がない。そこで、47NEWS編集部でアルバイトとして働いていただいている大学生の女性たちに協力をあおぐことにした。
ほどなく、感想が送られてきた。
まず、気になる食感。「しっとりとした食感」「めっちゃ、ふわふわ」「もちもち」「今まで食べたシフォンケーキの中でも軽い」「水分が多い気がする」など、予想を裏切るものが並んだ。「こんにゃく寄り」のしっかりとした生地だと思っていただけに驚く。
次は味。「こんにゃくの味は一切感じない」「甘さ控えめでやさしい味」「甘さもちょうどいい」と、これまた好意的な評価が寄せられた。
ほかには、「できることなら1ホール食べたい」と食べやすさを高く評価する声もあった。
自分でも食べてみた。
「これはシフォンケーキだ」。
見た目やふわふわとした食感は、いわゆる普通のシフォンケーキと変わらない。一方、食べ進めてもこんにゃくの存在や気配は全く感じない。独特のにおいもしない。むしろ、生地に水分が多く含まれていて滑らかなことに気づく。寄せられた感想と同じで、とても食べやすいのだ。
開発したのは、奈良県大淀町にある「手づくり こんにゃく ゆり庵」。創業1910年の、手作りにこだわる老舗だ。代表の大谷保代さんによると、こんにゃくの持つ「保水性」と「膨張性」をうまく生かして、ベーキングパウダーの代わりとしているという。
硬い印象があるこんにゃくだが、実は約97%が水分。こんにゃくシフォンケーキが水分を多く含んでいると感じるのは不思議ではなかったのだ。カロリーがほとんどないこんにゃくを使うことで、カロリーを30%減らす(同社比)ことに成功した。加えて保存料や添加物も加えていないので、安心・安全だ。
こんにゃく特有のにおいについても、凝固剤に石灰ではなく、炭酸ナトリウムを用いることで抑えている。
大谷さんは「こんにゃくのイメージはやはり脇役。そこを見直すきっかけになってもらえれば」と期待を口にした。
(47NEWS 榎並秀嗣)
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