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【4062】一乃谷 山廃 特別純米(いちのたに)【福井県】

2019.12.8 22:12
福井県大野市 宇野酒造場
福井県大野市 宇野酒造場

【Z料理店 全6回の③】

 早稲田大学野球部OBと、脳みそが野球データベース化している元同僚、そしてベイスターズファンのわたくし、この3人がZ料理店で飲んだ。3人がカウンターに陣取り、野球にめったやたらと詳しい店主と相対しながら、野球談議をしよう、という試みだ。好きな野球について語り合うのだから、場が盛り上がらないわけがない。4時間も語り続けた。

「鷗樹」「真澄」と飲み進め、3番目にいただいたのは「一乃谷 山廃 特別純米」だった。「一乃谷」は当連載でこれまで、3種類を取り上げている。今回のお酒はどうか。いただいてみる。

 さらり、きれいな酒質。これが第一印象だ。山廃由来とおもわれる酸が適度にあり、全体が引き締まったイメージ。旨みも適度。余韻は渋みがすこし。香りは控えめ。ひとことで言えば淡麗辛口酒。うむ、なかなか良いではないか。当世、大流行の甘旨酸っぱい酒を多くの蔵が製造し、しょっちゅう口にするようになったが、たまに、このような淡麗辛口酒を飲むと、妙にほっとする。

 蔵のホームページはこの酒を以下のように紹介している。「伝統の山廃もとでじっくり仕込んだ純米酒です。熟成した穏やかな香り、奥行きのある旨味が口の中にふくらみます」

 瓶の裏ラベルのスペック表示は「原料米 福井五百万石100%、アルコール分15度以上16度未満、原材料名 米(国産)米麹(国産米)、精米歩合55%、日本酒度+3.0、酸度1.4、使用酵母 協会14号、杜氏 南山幸男(能登杜氏)、製造年月1.8」。

「一乃谷」というと、連想ゲーム的に、源平合戦の源義経「一の谷ひよどり越え」を頭におもい浮かべる。酒名「一乃谷」の由来について、蔵のホームページは以下のように説明している。

「明治以前、酒に名前がなく、屋号である『麦屋』の酒として販売されていました。その頃、越前の国には、『くまがい茶碗』という霜降り図柄の酒盃があり、人々はその酒盃に酒を注ぎ、立ち飲みを楽しんでいたといいます。
そんなある日、この地に立ち寄った京都の俳人に、『くまがい茶碗』に注いだ『麦屋』の酒を差し出したところたいそう喜び、帰り際、屋号の『麦屋』と『くまがい茶碗』をもじって、『麦屋の酒は一乃谷、くまがい(熊谷)で飲めばいつもよしつね(義経)』と、短冊に一首示して立ち去りました。以後、酒名を『一乃谷』と命名。現在に至ります。
※『くまがい』は一ノ谷の合戦で活躍した熊谷直実と『くまがい茶碗』をかけております」

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