
教育資金や老後資金の形成など、将来必要となる資金を形成したいと思っている人もいるでしょう。銀行預金にてコツコツ貯めるのも良いですが、国内では低金利が続いておりあまり効率がよくありません。
そのため「預金よりも効率よく資金を増やせる方法を知りたい」「できるだけリスクの低い方法で堅実に資金を作れる方法を知りたい」と思っている人もいるでしょう。
せっかく挑戦するなら、着実に資金形成できる方法を知りたいですよね。そこで今回は、おすすめな資産運用を7つ紹介します。

資産運用とは
資産運用とは、自分の資金を預貯金や投資に配分することで効率的に増やしていくことをいいます。
資産運用をする際には「リスク」と「リターン」についてよく考えていくことが必要です。
リスク | リターンが不確実である(予測できない)こと |
---|---|
リターン | 資産運用を行うことで得られる収益 |
参照:日本証券業協会
資産運用の種類
資産運用のリスクとリターンは比例します。リスクを低く抑えようとすればリターンも低くなり、高いリターンを得ようとすればその分リスクも高くなります。
低いリスクで高いリターンを得る金融商品は存在しません。
ローリスク ローリターン |
外貨預金 預金 債券 金投資 アンティークコイン 保険 |
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ミドルリスク ミドルリターン |
投資信託 個人向け国債 ETF REIT 外貨MMF 株式投資 iDeCo 不動産投資 ソーシャルレンディング |
ハイリスク ハイリターン |
FX 仮想通貨 先物取引 |

初心者におすすめの資産運用
外貨預金
米ドルや豪ドルなど、外貨にて預金を行うことです。外貨預金は、日本円に比べて金利が割高である点が魅力となっています。
円預金の金利は0.001%※1程度であるケースがほとんどで、100万円預けたとしても1年間で10円しか利息がつかないことになります。これに対して、外貨預金の金利相場は0.01~0.5%程度です。
また、外貨預金では為替レートによる利益も期待できます。たとえば、1ドル=100円のときに100ドル換金するとします。

ただ、為替相場によっては換金した際に資産が減少するリスクもあるので注意が必要です。
投資信託
投資信託は複数の投資家から集めた資金を、株式や債券などの金融商品に投じて運用します。
自身で金融商品を選ぶことなく専門家が知識や経験をもとに運用してくれるので、投資に関する知識がない人でも気軽に始められる点が魅力。
ただ、投資信託は必ず利益を獲得できるわけではなく、損をする可能性もあるので注意が必要です。
個人向け国債
国債は、国が個人に向けて発行している債券です。購入して国に資金を提供する代わりに、満期まで半年に1回利子をもらえます。元本と年率0.05%の最低金利が保証されているため、損をすることは基本ありません。
満期が来たら、元本は100%償還してもらうことが可能です。債券は1万円から購入可能なので、気軽に始めやすい点もメリットです。
個人向け国債の種類
変動金利型10年満期 変動10 | 固定金利型5年満期 固定5 | 固定金利型3年満期 固定3 | |
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特徴 |
半年ごとに適用利率が変動する 受け取れる利子が増えることがある |
満期まで同じ金利 発行時点で投資結果がわかる |
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満期 | 10年 | 5年 | 3年 |
金利 | 変動金利 | 固定金利 | 固定金利 |
金利の設定方法 | 基準金利×0.66 | 基準金利-0.05% | 基準金利-0.03% |
株式投資
株式投資は株式会社が事業資金を集めるために発行した株式を保有して、値上がり益や配当金にて利益を獲得する方法です。
株価は毎日変動するため、購入時の株価より高いときに売却すれば売値と買値の差額を利益として獲得できます。また、株式は売却しなくても配当金を受け取れます。
また資金形成には直接関与しませんが、企業の製品や優待券、金券などをもらえる「株主優待」もあります。

保険
生命保険を資産運用に活用することも可能です。資産運用を始めるといっても、株式・投資信託などには手を出しにくいと思う人もいるでしょう。
生命保険は多くの人にとって馴染みのあるものであるため、初心者でも始めやすい商品となっています。資産運用として利用できる保険は、以下の3つです。
- 終身保険
- 養老保険
- 個人年金保険
上記について、順に詳しく解説します。
終身保険
死亡・高度障害の保障を一生涯受けられる商品です。死亡・高度障害になったときに、保険金が支給されます。途中で解約した際には、解約返戻金を受け取れます。
低解約返戻金型の終身保険は、払込期間中の解約返戻金が低く設定されているものです。
そのため、資金が必要となるタイミングに合わせて払込終了後に解約すれば資金形成に活用可能。外貨にて保険料の支払いや保険金の受け取りを行う「外貨建て保険」もあります。

ただ、為替変動により損をすることもあるので注意が必要です。
養老保険
死亡保険金と満期保険金のどちらかを必ず支給してもらえる保険です。死亡したら死亡保険金を受取人へ支給、何事もなく満期を迎えた場合には満期保険金が支給されます。
満期保険金は、貯金として捉えれば将来の資金形成に役立つといえるでしょう。
個人年金保険
老後の資金形成ができる保険商品です。
公的年金だけでは老後が心配、という人におすすめです。
FX
FXは、外国為替証拠金取引のことで2カ国の通貨を証拠金を通じて交換するものです。証拠金は、取引を行う際にFX会社へ担保として預け入れるお金を指します。
レバレッジをかけることで、預け入れる証拠金を少額にして大きな資金を動かすことが可能です。たとえば1ドル100円の時に1万ドル投じるとなれば、100万円が必要となります。
少額で大きな資金形成が可能となる点がメリットですが、その分リスクも高いので知識やコツが必要となります。
不動産投資
不動産を購入し、家賃収入や売却益として利益獲得を目指す運用方法です。毎月固定の家賃収入を得られるので、安定した資産形成を期待できるでしょう。
またローンを組むことで投資する物件を購入できるため、手元に大きな金額がない人でも始められる点がメリットでもあります。
さらに、空室が出た場合には収入が減少してしまうので、知識やノウハウが必要な資産運用のひとつだといえます。
【金額別】おすすめの資産運用
ここで、投資資金の金額別におすすめの資産運用を紹介します。
少額
- 外貨預金
- 保険
- 個人向け国債
- FX
- 投資信託
少額での資産運用におすすめなのは、上記の5種類です。現在は日本円よりも外貨の方が金利が高い傾向にあるので、米ドルや豪ドルなど外貨として資産を保有しておくのもおすすめです。
FXや投資信託も少額から始められますが損をするリスクもあるので、余剰金を使って少しずつ挑戦してみてください。
100万円
- 投資信託
- 株式投資
- 不動産投資
資産運用に使える資金が100万円あれば、株式投資や投資信託などを使って複数の金融商品に投じるとよいでしょう。
不動産投資もワンルームマンションなど、少額で購入できる物件であれば100万円から始められます。

1,000万円
- 株式投資
- 不動産投資
運用資金が1,000円あるのであれば、株式投資や不動産投資にて運用を行うのがおすすめです。不動産投資は、1,000万円あれば購入できる物件の幅が広がり、余裕を持って行えるようになります。
重要なポイントとして、1,000万円を同じ金融商品に投じるのではなく、リスクヘッジとして違う値動きをする商品へ分散投資することです。

【年代別】おすすめの資産運用
ここからは、年代別におすすめな方法を紹介します。
20代
- 投資信託
- 個人向け国債
- 外貨預金
20代は、比較的自由にお金を使える時期です。30代になると、結婚・出産・子どもの進学などにより多くのお金が必要になってきます。
そのため、比較的自由にお金を使える20代のうちに資産運用をしておくとよいのですが、20代の貯金額は単身者で平均113万円※とやや低め。そのため、資産運用に回せる余剰金はそこまで持っていないと考えられます。

また、投資信託を利用するのも良い方法です。投資のプロが商品を見極めて運用してくれるので、安心して任せられます。
30代・40代
- 保険
- 不動産投資
- 株式投資
- 投資信託
- 国債
30、40代は、20代よりも収入が上がっているケースが多いでしょう。ただ、結婚や出産により家族が増え教育費や生活費などで出費がかさむ時期でもあります。
万一のリスクへ備えつつ資金形成できるよう、学資保険や終身保険への加入を検討してもよいでしょう。また、余剰資金の金額が大きければ株式投資や不動産投資に挑戦もおすすめです。

50代
- 個人向け国債
- 投資信託
- 不動産投資
50代は老後資金を失わないように、ローリスクで資金形成を図れる方法を取るのが大切です。個人向け国債は元本が保証されているので、国に問題が起こらない限り確実に資金を増やせます。
投資信託にはリスクが伴いますが、信頼できる投資信託を選べば資金は増える可能性が高いです。できるだけ低リスクでリターンを狙える金融商品を検討しましょう。

初心者におすすめの資産運用
初心者が資産運用を始める場合は、少額かつリスクの低い方法を選ぶようにしましょう。特に以下の3つは、初心者でも始めやすく最初に挑戦する資産運用としておすすめです。
- つみたてNISA
- iDeCo
- ミニ株
つみたてNISA
つみたてNISAは、非課税で少額での積み立て投資ができる制度です。通常株式投資の場合、利益を獲得しても20.315%の税金がかかってしまいます。
たとえば10万円の利益を出した場合、79,865円しか受け取れません。その点、つみたてNISAなら10万円の利益をそのまま受け取れます。
指定した金融商品のみが取り扱いなので、金融商品を決めやすい点もメリット。非課税で投資できるのは毎年40万円まで、非課税期間は最長20年間となります。

iDeCo
iDeCoは私的年金制度の一つで、公的年金に加えて年金を支給してもらえるもので、自分で投資商品を選んで運用を行います。
年金の受け取り方法は、以下の3種類から選べます。
一時金 |
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年金 |
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一時金+年金 |
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受け取れる年金額は、自身が運用した実績によります。運用がうまくいかなかった場合には、予定より少額の受け取りになってしまうことに注意が必要です。
ミニ株
ミニ株とは、通常の株取引より少ない単位で取引できるものです。通常の株取引では、購入できる最小単位が100株からとなっているケースが多く、50株・10株といったように自由な単位では取引できません。
そのため、株式投資をするにはそれなりの資金が必要となります。
1つの投資先へ掛ける金額が通常より少額で済むので、複数の企業に分散投資を行ってリスク軽減も図りやすくなる点もメリットです。
資産運用で失敗しないコツ
資産運用は、損失を出す可能性もあるもの。そのため、資産運用は自身の状況に合った方法で慎重に行うことが大切です。ここでは、資産運用で失敗しないためのコツを紹介します。
資産運用について勉強をする
資産運用を始める前に、まず基本的な知識を勉強しましょう。資産運用では、リスクが生じる可能性が少なからずあります。
しっかりと資金が増えるよう、自身でも資産運用について勉強しながら取り組むのが大切です。
目的を目標額を設定する
資産運用を行う際には、目的や目標額を設定するのも大切です。資産運用を行う明確な理由があれば、目的を果たすために具体的な計画を逆算して立てることができます。
「子どものために大学進学費用を確保しておきたい」「老後資金の不足を補いたい」など資産運用を行う目的を決めたら、期間と金額から目標を設定しましょう。

具体的な数値がわかっていれば、ブレずに資産運用を進めやすくなるでしょう。
余剰資金にて運用を行う
元本割れが起こるような資産運用、余剰資金を使って行うということが非常に大切です。余剰資金とは、生活に必要なお金以外の資産を指します。
生活資金をある程度貯蓄し、余ったお金で資産運用に挑戦してみてください。
長期的な視点を持つ
長期的な視点を持つことも、失敗しないために重要なポイントです。短期的な投資では、チャートの上がり下がりを短い間に分析し予測を立てなければなりません。
そのため、初心者にはかなり難しいと投資方法とされています。初めは長期的な保有での運用にて、コツコツと利益を増やしていきましょう。
投資先を分散させる
投資先は1つや2つなど集中させずに、違う値動きをする商品に分散投資することが大切です。
1つや2つの商品のみで大金をかけていると、下落したときに大きな損失を出してしまう可能性があります。
ハイリスクハイリターンの商品と、ローリスクローリターンの商品を組み合わせて運用する方法もおすすめです。
まとめ
今回は、おすすめの資産運用について徹底解説しました。資産運用には、外貨預金・投資信託・個人向け国債などさまざまな種類があります。
運用資金が少額の段階では、低リスクで資金形成が期待できる外貨預金や個人向け国債にて運用するのがおすすめです。

初心者は、少額かつリスクの低い運用が可能なつみたてNISAやiDeCo、ミニ株を利用するのもおすすめです。
自身の状況に合った方法にて資産運用を行い、将来必要になる資金作りを始めてみてはいかがでしょうか?