
「環境・エネルギーに関する情報を客観的にわかりやすく広くつたえること」「デジタルテクノロジーと環境・エネルギーを融合させた新たなビジネスを創造すること」を目的に執筆/講演活動などを実施。著書に『電気・ガスはどこから来るのか?エネルギー供給のしくみをさぐろう』『かんたん解説!! 1時間でわかる 電力自由化 入門』など。慶應義塾大学経済学部卒業→東京大学 Executive Management Program(EMP)修了→アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア株式会社)入社。エネルギー/化学産業本部に所属し、電力会社・大手化学メーカ等のプロジェクトに参画→RAUL株式会社を設立。 主に環境・エネルギー分野のビジネス推進や企業の社会貢献活動支援を実施。一般社団法人エネルギー情報センター理事。一般社団法人サステナビリティコミュニケーション協会理事。環境省地域再省蓄エネサービスイノベーション促進会委員(2019年)等
テレビのニュースなどで「節電ポイント・節電プログラム」の存在を知ったものの、そもそもどういった施策なのかや、参加方法がそもそもよくわからないという人は多いと思います。
実際、テレビなどでは名前がひとり歩きしてしまっており、具体的な施策よりもただ節電をすればお得というイメージばかり伝わってしまっているともいます。
fa-check-circle節電ポイントの貯め方
fa-check-circle節電ポイントがもらえる電力会社・参加方法やキャンペーン内容
今回は節電プログラムの仕組み、その参加申請方法、具体的にポイントを貯めるやり方などを詳しく解説していきます。
【記事内で紹介している新電力会社】 節電プログラム参加受付中一覧 |
|
新電力会社名 | 節電プログラム名 |
---|---|
東京ガス | 冬の節電キャンペーン2022 |
大阪ガス | 節電キャンペーン2022冬 |
TERASELでんき | 冬の節電ポイントキャンペーン |
東急でんき | 冬の節電プログラム |
HTBエナジー | 節電ミッション・ポッシブルキャンペーン2022-2023Winter |
ミツウロコでんき | 冬の節電プログラム |
シナネンあかりの森でんき | 地球と仕事と暮らしに優しい節電アクション |
Pintでんき | 節電プログラム |
Contents
節電プログラム・節電ポイントとは
節電プログラムは経済産業省の主導で進められている施策で、正式には「電気利用効率化促進対策事業費に関する補助金」のことを指しています。
公式サイトでは「節電プログラム ディマインド・リスポンス」として概要や、参加している電力会社している電力会社などが確認可能です。
基本的には小売電気事業者(地域電力会社や新電力会社)が電気利用者に向けた節電のお願いをして、達成された節電の度合いに応じてポイントなどを得られるシステムとなっています。
細かな仕組みを抜きにして、私たち電気利用者の視点で考えてみると、節電の呼びかけに協力すればポイント付与という形で見返りがある施策といえます。

節電プログラムでポイントをもらうためには、節電プログラムに参加している電力会社を利用していることが必須になります。
そのため、該当していない電力会社と契約をしている場合はそもそもこの節電プログラムのポイントをもらうことができないため注意が必要です。
公式サイトでは参加中の会社を確認することができますが、一覧表で確認はできないため「参加電力会社検索」で自分が契約している電力会社の名前を入力してみましょう。
検索結果として表示されれば、節電プログラムに参加していることが確認できます。会社の詳細から問い合わせ先なども確認が可能です。
節電プログラムに参加している電力会社だった場合
公式サイトで参加が確認できる電力だった場合は、会社の情報から節電プログラム用のページへのリンクなどを参照してみましょう。
基本的にはその電力会社のポイントシステムのポイントがもらえます。ポイントプログラムがない電力会社の場合は、節電目標を達成した場合に翌月の電気代から引かれるケースが多いです。
基本的には電気代の割引に使える還元で、節電目標に到達しなくても申し込みでポイントがもらえるというのが大きなメリットです。
電力会社によってはそもそも自社のポイントがTポイントやdポイントなどの一般的なポイントに交換できる場合もあるので、使用用途が電気代だけに限られない場合もあります。

節電プログラムに参加していない電力会社だった場合
新電力会社などの一部では、現時点でまだ参加が確認されていない電力会社も存在します。
節電プログラムはかなりお得なキャンペーンですので、この機に電力会社の契約を見直すのも良いかもしれません。
電気料金やプランは意外と頻繁に変わっており、契約時点では一番お得だった電力会社であっても、数ヶ月も経てば状況が変わっている可能性は十分にあります。
新しいプランが用意されている場合もありますので、節電プログラムに参加していない電力会社との契約だった場合は変更も一つの手です。

節電ポイントの参加方法・やり方
電力会社によっては、元々独自の節電キャンペーンを行っているというケースもあります。こういったケースの場合は節電プログラムと重複して特典を受け取ることができる場合もあります。
電力会社 | 東京ガス (でんき) |
大阪ガス (でんき) |
TERASELでんき | 東急でんき | HTBエナジー | ミツウロコでんき | シナネン あかりの森でんき |
Pintでんき |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
|
キャンペーン名 | 冬の節電 キャンペーン2022 |
節電キャンペーン 2022冬 |
冬の節電ポイント キャンペーン |
冬の節電プログラム | 節電ミッション・ポッシブルキャンペーン 2022-2023Winter |
冬の節電プログラム | 地球と仕事と 暮らしに優しい 節電アクション |
節電プログラム |
申込期間 | 2022年10月13日 〜2023年1月23日 |
2022年10月13日 〜2022年12月31日 |
2022年10月7日〜 2022年12月31日 |
2022年9月30日〜 2022年12月25日 |
〜2022年12月31日 | 2022年11月1日〜 2022年12月20日 |
2022年11月16日〜 2022年12月31日 |
2022年11月1日〜 2022年12月31日 |
実施期間 | 2022年12月14日 〜2023年3月15日 |
2022年12月1日 〜2023年3月31日 |
2022年12月1日 〜2023年3月31日 |
2022年12月1日 〜2023年3月31日 |
2022年12月1日 〜2023年3月31日 |
2022年12月1日 〜2023年3月31日 |
2022年12月1日 〜2023年3月31日 |
2022年11月21日 〜2023年3月31日 |
詳細 | 詳細 | 詳細 | 詳細 | 詳細 | 詳細 | 詳細 | 詳細 | 詳細 |
東京ガス(でんき)の節電プログラム
- 変化量に応じたパッチョポイントを付与
- 国の節電プログラム対象のため2,000ポイント付与
- 【東京都内】節電達成日が5日以上の場合500円相当の特典付与
東京ガスのでんきの節電キャンペーンに参加するには、公式サイトのマイページ「my TOKYOGAS」から申し込みを完了させてください。
変化量1kWhに対して5節電ポイントを貯めることが可能です。変化量が一定の値に到達するごとにボーナス特典もゲットできます。

大阪ガス(でんき)の節電プログラム
- 国の節電プログラム対象のため2,000ポイント付与
- スマイLINKへの登録で1,000ポイント付与
- 節電量に応じてポイント付与
大阪ガスの節電プログラム参加するには、マイ大阪ガスに会員登録してキャンペーンに登録する手続きを行いましょう。
スマイLINKへのアカウントの登録は無料なので、誰でも簡単に3,000ポイント獲得できるでしょう。節電量に応じてのポイント付与もあるので、どんどんポイントが貯まりそうです。

TERASELでんきの節電プログラム
- 参加表明で2,000円の電気代値引き
- 節電成功回数×10円相当の楽天ポイント付与
TERASELでんきの節電ポイントキャンペーンへは、マイページにログインして参加表明を行うことで参加ができます。
さらに節電成功特典として、節電回数×10円相当の楽天ポイントが獲得可能です。

東急でんきの節電プログラム
- エントリーで電気料金から2,000円割引
- 節電量に応じて特典を付与
- 【東京都内】5日以上の節電達成で500円相当のポイント付与
東急でんきの節電プログラムに参加するには、マイページからエントリーを行いましょう。
月の電気代が2,000円に満たない場合は翌月以降に繰越されるので、電気使用量が元々少ない方でもお得感に違いはありません。
HTBエナジーの節電プログラム
- 参加申請で電気料金2,000円割引
- 達成特典分に応じて電気代を最大3回分割引
HTBエナジーの節電ミッションへは、公式サイトの参加申込フォームから必要事項を記載しエントリーを行いましょう。
ミッション内容は「2022年12月~2023年3月に前年同月の使用量から3%以上の節電をする」こと。達成できた場合は、達成特典分の割引が受けられます。
ミツウロコでんきの節電プログラム
- 参加表明で2,000円相当のAmazonギフト券を進呈
- 5日以上節電達成した東京都内の方へ1,000円相当のAmazonギフト券を進呈
- 再エネ100%メニューを契約中の東京都内の方に2,000円相当のAmazonギフト券を進呈
ミツウロコでんきの節電プログラムに参加するには、お客さまポータルサイトでの参加表明を行いましょう。
東京都内在住の方は、5日以上節電達成で1,000円相当、再エネ100%メニュー契約中の方ならさらに2,000円相当のAmazonギフト券が進呈されます。

シナネンあかりの森でんきの節電プログラム
- 参加申し込みで2,000ポイント付与
- 節電達成1kWhごとにポイント付与
- 【東京都内】5日間の節電達成で最大1,000円相当のポイント付与
シナネンあかりの森でんきの節電プログラムへは、公式サイトの申込フォームから参加申込が行えます。
貯まったポイントは、Amazonギフト券や電子マネー・現金などへの交換もできるので使い勝手が良さそうです。

Pintでんきの節電プログラム
- 参加申し込みで2,000ポイント付与
- 【東京都内】5日以上の節電達成で1,000円分のAmazonギフト券進呈
- 節電量1kWhに応じて1ポイント付与
Pintでんきの節電プログラムへは、公式サイトから参加申し込みを行いましょう。
節電量1kWhに応じて1ポイントをプレゼント。さらに東京都内の方は、5日以上節電を達成できると1,000円分のAmazonギフト券が進呈されますよ。

節電プログラムが設けられた理由
日本政府は2022年度冬季のエネルギー不足を強く懸念しており、今年度12月1日から3月31日までは無理のない範囲での節電を呼びかけています。
数値設定は設けられていませんが、ひっ迫した状態になれば政府より節電の協力が重ねて呼びかけられる可能性もあります。
今年の冬はロシアによるウクライナ侵攻の影響だけでなく、中国などでの電力需要増加もあり、火力発電に必要な燃料価格の高騰はまだ続く見通しです。
節電が必要になるほどエネルギー不足が予想される原因となる部分の詳細は以下の通りです。
ロシアによるウクライナ侵攻
ロシアは原油生産・天然ガス生産の一大生産国であり、世界トップクラスの産出量を誇っています。
そのロシアがウクライナに進行したため、欧州ではロシアの軍資金増を避ける狙いもあって、ロシアへのエネルギー的依存の割合を落とす施策を続けています。
日本ではロシアと協力して行っていた石油・天然ガス開発事業の「サハリン2」を事実上接収されてしまうなどの影響も起きています。
火力発電の比重が大きい日本としては、ロシアによるウクライナ侵攻問題はエネルギーの観点でも看過できない問題となっています。

世界的な電力需要の増加
2021年度の秋の終わりから年度末にかけて、日本はもちろん、中国や朝鮮半島は幾度となく強い寒波がの襲来を受けました。
中国では国土の半分以上が早朝に氷点下となり、生活的にも経済的にも大きな影響が出ていたのは事実です。
日本でも当然寒波の影響はありましたが、そもそもこの時期はコロナ禍ということもあり、リモートワークが増えていた時期でもあります。各家庭で作業を行うため、日本全体の電気使用量が増加し、電力がひっ迫していました。
今年も十分同じような状況になる可能性は考えられます。

電気を効率的に使用する
燃料不足や、電力需要増に伴う供給不足を防ぐ目的は大きいですが、電気を効率的に使用することが日本全体のメリットに繋がるというのも節電プログラムが設けられた理由の一つでもあります。
火力発電のために使用される燃料のほとんどは化石燃料(石油・石炭・天然ガス)を使用していますが、これらは埋蔵されている限りある資源です。
また、二酸化炭素の排出による地球温暖化も懸念されており、電気自体を効率よく、大切に使うためにも国と国民が協力して取り組む必要があるのは事実です。

よくある質問
まとめ
今回は節電ポイント・プログラムについて詳しく解説しました。
今年の冬の電力不足は十分に考えられ、その影響を考えれば国全体で節電をする必要があるとの判断で開催されたキャンペーンともいえます。
参加するだけでポイントがもらえることと、もし目標達成ができずに追加のポイントをもらえなくても節電していれば支払う電気代は少なくて済みます。
まずは参加の申し込みをして、無理のない範囲でできるだけ節電を心がけた生活を送ってみましょう。