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FJネクスト Research Memo(6):好調な外部環境を追い風として過去最高業績を更新

2019.7.19 15:06

*15:06JST FJネクスト Research Memo(6):好調な外部環境を追い風として過去最高業績を更新

■業績推移

1. 過去の業績推移

FJネクスト<8935>の過去の業績を振り返ると、首都圏における資産運用型マンションに対する賃貸需要、並びに購入需要の拡大に支えられて、業績は総じて順調に推移してきた。2009年3月期にリーマン・ショックに伴う景気後退の影響で業績のボトムを迎えたものの、同社は、仕入高を追わずに採算性に合った仕入れを継続していくという方針のもと、堅実な物件開発を進めたことで、大きな痛手を被った不動産業界においては比較的軽微な落ち込みで乗り切り、その後は景気回復とともに順調に業績を拡大してきた。2015年3月期は竣工時期の関係等により一旦踊り場を迎えたが、2016年3月期以降は大幅な増収増益を続けており、売上高は4年連続で過去最高を更新している。社歴を重ねながらも、同社がまだまだ成長過程にあることを示している。

財務面では、業績の拡大に伴って有利子負債残高も増えてきたが、内部留保の積み増し等により自己資本比率も高い水準を維持しており、財務基盤の安定性に懸念はない。

なお、同社がリーマン・ショックに伴う厳しい業界環境を比較的スムーズに乗り切れたのは、厳選された好立地を含め、収益還元法による採算性を重視した「ガーラ」ブランドの資産価値の高さ、並びに同社の財務基盤の安定性によるものと言える。

2. 2019年3月期決算の概要

2019年3月期の業績は、売上高が前期比21.7%増の81,516百万円、営業利益が同39.4%増の10,093百万円、経常利益が同39.6%増の10,087百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同39.4%増の6,538百万円と期初予想を上回る大幅な増収増益となり、過去最高業績を更新した。

好調な外部環境を追い風として、「不動産開発事業」、「不動産管理事業」、「建設事業」がそれぞれ伸長した※1。特に、マンション販売戸数の増加や販売価格の上昇等により「不動産開発事業」が大きく拡大。マンション販売戸数は2,462戸(前期比+259戸、計画比+262戸)※2と大幅に増加したが、そのうち、中古マンション販売による上乗せ分が計画を上回る要因となったようだ。また、積み上げ型の安定収益源である「不動産管理事業」についても賃貸管理戸数の増加等※3により着実に伸びている。

※1 補修工事の影響等により「旅館事業」のみ減収減益となったが、一時的な特殊要因である。

※2 マンション販売戸数2,462戸のうち、ワンルームが2,186戸(前期比+201戸)、ファミリー向けマンションが276戸(前期比+58戸)とそれぞれ増加した。また、ワンルーム2,186戸のうち、中古物件は1,581戸(前期比+249戸)を占めている。

※3 2019年3月期末の賃貸管理戸数は14,893戸(前期末比+341戸)、建物管理棟数は277棟(+13棟)とそれぞれ増加した。

利益面では、土地仕入価格や建築費が高止まりするなかで、原価率はほぼ横ばいで推移。一方、販管費は若干増加したものの、増収効果により営業利益率は12.4%(前期は10.8%)に改善し、大幅な営業増益を実現した。

また、今後の業績の伸びに影響するたな卸資産(パイプライン)の状況についても、販売用不動産(完成マンション)及び仕掛販売用不動産ともに大きく積み上がっている(たな卸資産全体では前期末比22.7%増の52,128百万円)。特に、販売用不動産が前期末比29.3%増の25,450百万円と大きく拡大したのは、戦略的に保有している中古マンション※1によるところが大きい。一方、仕掛販売用不動産についても採算性を重視した用地仕入れを継続しながら、同17.0%増の26,678百万円と順調に積み上げることができた。なお、中古マンションについては、今後、新築物件の完成スケジュールとの調整を図りながら順次販売していく予定である。また、保有期間中は賃貸収入※2を得られ、ストックビジネスとしての側面もある。弊社においても、中古マンションへの取り組みは新築物件だけに依存しない収益機会の確保という点に注目している。さらに、購入者にとっても、中古市場の活性化(流動性の厚み)はいざというときのために大きなメリットがあるものと評価できる。

※1 販売用不動産1,265戸のうち、中古マンションは1,019戸を占めている。

※2 賃貸収入は「不動産開発事業」に含まれている。2019年3月期の賃貸収入は、前期比5.4%増の6,374百万円となっている。

財務面では、たな卸資産の増加により総資産が72,686百万円(前期末比14.6%増)に増加した一方、自己資本も内部留保により44,942百万円(同14.2%増)に積み増したことから、自己資本比率は61.8%(前期末は62.0%)と高い水準を維持している。また、有利子負債はたな卸資産の積み上げに伴って16,222百万円(前期末比4.4%増)に拡大したものの、流動比率は451.2%(前期末は644.6%)と高い水準にあり、財務の安全性に懸念はない。一方、資本効率を示すROEも15.5%(前期は12.5%)と2ケタの水準を維持しており、バランスに優れた財務内容と言える。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

《MH》

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