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文化

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【4526】ほしいずみ 新上五島から 五島列島の黒麹 生原酒【愛知県】

2021.3.30 21:32
愛知県知多郡阿久比町 丸一酒造
愛知県知多郡阿久比町 丸一酒造

【B居酒屋にて 全7回の①】

 月1回のペースでB居酒屋に足を運んでいる。この店は酒の品揃えが豊富で、非常に勉強になる。なにより当連載「日本酒津々浦々」の取材になる。頻々と暖簾をくぐってもいいのだが、そうなると新規のお酒に巡り会えない。「日本酒津々浦々」は、わたくしにとって新規のお酒ばかり取り上げているので、それでは困る。したがって経験則から、酒の入れ替えのリズムに合わせるには月1回の来店、ということになる。今回は嗅覚が人並み以上に敏感な酒友・ちーたんに同席願った。

 まず最初に選んだのは、なんだかよく分からないラベルの「ほしいずみ 新上五島から 五島列島の黒麹 生原酒」だった。「星泉」は当連載でこれまで、3種類を取り上げている。今回のお酒はどうか。ラベルに黒麹使用、とある。ちなみに、日本酒醸造で使われる麹は黄麹が一般的。焼酎は白麹、泡盛は黒麹を通常、使用しいている。ではいただいてみる。

 酒蛙「超甘旨酸っぱく、エキス感あり。ボリューム感のある味わい。厚みがある」
 ちーたん「酸味が強いね。あっさりした甘み」
 酒蛙「含み香がセメダイン香(酢酸エチル)似だ」
 仲居さん「綿あめの香りの甘さをおもわせる」
 酒蛙「うん、酸も強いけど甘みも強い。白麹を使った酒も酸が強い。この酒、酸が強いのは黒麹由来なんだろうな」
 ちーたん「でも甘だるくなくて、いい。甘みに果肉感がある」
 酒蛙「余韻は苦みが強い」
 ちーたん「うん。余韻が苦みだから、甘さが気にならない」
 酒蛙「アルコール分が19.5度とほとんどマックスだが、その割にはアルコールの強さを感じない」
 ちーたん「感じる! 強いよ!」

 瓶の裏ラベルは、このお酒が生まれるにいたった経緯を以下のように紹介している。

「このお酒は『ほしいずみの未来にチャレンジを』というメッセージと共に頂いた寄付金によってスタートし、そのメッセージに応えるべく今までにないお酒をイメージした『焼酎でもなく日本酒でもないお酒』に挑戦しました。お酒造りに貴重な麹には長崎県上五島町の五島灘酒様の黒麹を譲り受けラベルデザインには新上五島町にゆかりある画家上野友之氏が五島の海を描いた作品を使用させて頂きました。弊社のチャレンジに賛同頂いた、新上五島町にゆかりのある方々への恩返しとして、このお酒の売り上げの一部を新上五島町へ寄付させていただきます」

 瓶の裏ラベルのスペック表示は「アルコール分19.5度、米(国産)米麹(国産米・タイ産米)、醸造アルコール、製造年月2020.12」。長年、ラベルのスペック表示に注目してきたが、使用米に「タイ産米」と表示したのを初めてみた。黒麹を使用する泡盛の原料米はタイ産などインディカ米(長粒米)を使用している。黒麹とインディカ米は製造上、相性が良いとのことで、今回タイ米を使用したのも、黒麹を使った関係から、とみられる。

 この酒に特定名称酒の表示をしていないのが残念だ。このスペックだと本醸造か普通酒とおもわれる。

 この蔵の主銘柄は「冠勲」「星泉」。その由来について、蔵のホームページは、以下のように説明している。「『冠勲』は冠や勲章を与えられるような立派な酒になるようにとの願いをこめて付けられた名前。『星泉』は、仕込み水に使われている井戸に映る星から「星泉」、という名前が付けられた」

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