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文化

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【4525】会津男山 わ 純米大吟醸 蔵明け うすにごり 生酒(あいづおとこやま)【福島県】

2021.3.29 16:49
福島県大沼郡美里町 男山酒造店
福島県大沼郡美里町 男山酒造店

【日本酒研究会月例会 全6回の⑥完】

 足掛け15年目に突入した日本酒研究会。異業種間交流飲み会ながら、毎月欠かさず飲み続けてきた(ただし、2020年4~10月の7回分はコロナのために不開催)。草創期のメンバーJの提案で、日本全国の現役蔵の酒を全部飲む、という遠大な目的のもとに飲み続けている。一時は、飲んだことのない蔵の酒を探すのが頭打ちになり、なかなか蔵数が増えなかったが、月例会の会場をE居酒屋に移してからは、続々と新蔵酒の登場しわたくしたちを喜ばせている。

 これは、ママの知恵袋であるバイヤーKさんの活躍によるもの。Kさんはわたくしたちの既飲蔵リストをもとに、わたくしたちがまだ飲んだことがない蔵の酒を探し出し入手、月例会に出す酒のラインナップを組んでいるのだ。今回は、6種類のうち、3種類が飲んだことがない蔵のお酒。これで、わたくしたちが飲んだことのある酒の蔵は、合計1199蔵となった。Kさんには感謝しても感謝しきれないほどお世話になっている。この場を借りてお礼を申し上げます。

 さて、Kさんの指示通り、「ハート天明」「金門」「岡部」「こうめい」「紬美人」と飲み進め、最後6番目にいただいたのは、復活蔵の「会津男山 わ 純米大吟醸 蔵明け うすにごり 生酒」だった。Kさんは、復活蔵にエールを送りたい、ということで、この酒を最後に配置したのだ、という。

 蔵の復活劇について、2020年11月17日付の福島民友新聞ウェブ版に詳しいので、以下に転載する。

「150年の歴史を誇る会津美里町の蔵元『男山酒造店』が、この冬から約20年ぶりに酒造りを復活させる。6代目の死去で途絶えていたが、孫で千葉県出身の小林靖さん(45)が蔵の伝統を引き継ぐ覚悟を固めた。仕込みを目前に控え、小林さんは『たくさんの人に支えられてきた。みんなが味わって和やかな気持ちになれる酒を目指したい』と意欲を燃やす。
 男山酒造店は1865(慶応元)年創業。『會津男山』を代表銘柄に、最盛期の昭和40年代には年間約36万リットル(一升瓶約20万本分)を生産していた。しかし、日本酒の需要の落ち込みなどを受け、出荷量が減少。1998年、6代目の千葉義徳さんが亡くなったのを機に、生産を休止した。
 使われなくなった蔵は、叔父の千葉不二彦さん(73)が7代目として引き継ぎ管理していたが、小林さんはずっと気に掛けていた。母の実家であり、幼いころは夏休みに必ずと言っていいほど訪れた。広い蔵に入って駆け回ったり、祖父らと夕暮れの縁側で涼んだりした思い出が、どうしても頭から離れなかった。
 4年ほど前『廃業して、建物を壊すかもしれない』といとこから聞いた時、『あの場所がなくなるのは受け入れられない。自分が何とかしたい』という思いが湧き上がってきた。
 気持ちは日々膨らみ、約20年勤務した東京都の会社を、周囲の反対を押し切って退職。2018年から会津若松市の蔵元で本格的に酒造りを学びながら、県清酒アカデミーに通って技術を習得した。酒造りの複雑な工程を理解するのは、想像以上の苦労だった。どんな細かなことでもノートに書き記し、酒造関係の書籍も集めて読み込んだ。
 昨春に妻真由子さん(44)と長男の春親君(7)を呼び寄せ、今年7月に男山酒造店の8代目を継いだ。
 仕込みを前に、蔵では機械の調整などが続き、慌ただしい日々が続く。経験豊かな蔵人を迎えて臨むが、小林さんの緊張は高まる。『あっ、あの作業を忘れていた』と夜中に目が覚めることもあるという。
 地元のコメにこだわり、原料として県オリジナル酒造好適米『夢の香』『福乃香』などを使う。12月下旬には、醸造工程の最終段階『搾り』に入る。『再開に向けて携わってくれた人たちに味わってほしい。会津男山を好きになってくれる人とつながり、新しい酒の可能性を広げていきたい』。8代目として、新たな蔵の歴史を刻むつもりだ」

 20年ぶりに復活したお酒をいただいてみる。

 B 「甘い」
 酒蛙「甘みもあるが、辛みもある」
 K 「後から辛みがくる」
 I 「そうかも」
 B 「僕は甘いとおもう」
 K 「いかにも会津の酒だ」
 酒蛙「若干、わたくしの好きなセメダイン香(酢酸エチル)やバナナに似た香りがする。シャープ感のあるすっきりとした口当たりだが、旨みもある」
 B 「甘いとおもう」
 酒蛙「辛みと甘みが味の中心で、旨みもあり。酸がすこし。余韻は酸と辛み。キレが良い。これ、美味しいね。いいよ」

 瓶のラベルは、酒造りのコンセプトと酒名「わ」の由来について、以下のように説明している。

「人の力、自然の恵みを、いただきながら、気づくといつもそこにあるようなやさしいお酒を。その一杯を囲む人々の心をなごやかにするお酒を。みんなが『わ』になれるお酒を、会津から。」 

 ラベルのスペック表示は「製造年月、原材料名 米(国産)米麹(国産米)、精米歩合50%、原料米 会津産福乃香100%使用、アルコール分16%、製造年月2021.2」。

 使用米の「福乃香」(ふくのか)は、福島県農業総合センターが2004年、母「誉富士」と父「出羽の里」を交配。育成と選抜を繰り返し、品種を固定。2019年に命名された非常に新しい酒造好適米だ。

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