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文化

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【4515】月の輪 純米(つきのわ)【岩手県】

2021.3.19 22:20
岩手県紫波町 月の輪酒造店
岩手県紫波町 月の輪酒造店

【高校同級生からのいただきもの 全7回の③】

 高校時代の同級生と雑談したとき「日本酒をもらってくれないか」と切り出された。彼は趣味の世界ではちょっとした有名人で、その関係で時々、各地の酒が届けられる。が、彼はある特定銘柄の日本酒しか飲まないとのことで、時々届けられるお酒は物置に鎮座し続けているとのこと。「おおっ、いただくとも、いただくとも」。いじましくも二つ返事をしたわたくしは早速彼の家に車で乗り付け、全国の7本をいただいた。

 わたくし1人でいただくのはもったいないので、酒友と2回に分け、なじみのH居酒屋でいただいた。まず、酒友ちーたんと飲んでみた。「寿」(大和蔵酒造)、「東光」と飲み進め、3番目にいただいたのは「月の輪 純米」だった。月の輪酒造店のお酒は当連載でこれまで、3種類を取り上げている。 

 酒蛙「さっぱりした口当たり。辛みがある」
 店主「昭和レトロ感的クラシカル香味をすこし感じる」
 酒蛙「辛みがいいね。酸も出ている。すこし昭和レトロ的な味わい」
 ちーたん「刺すような酸」
 店主「後味が残ります」
 ちーたん「田舎の懐かしさを感じる味わいだ」
 酒蛙「同感だ。ノスタルジックな酒だ」
 店主「おおっ! 辛いね!」
 酒蛙「酸が立って、すっきり、さっぱり」
 店主「懐かしい味が、ある意味この酒のクセになっている」
 酒蛙「辛い。辛みと酸が良く出ている」

 その10日後、今度は酒友のY、TUとH居酒屋で飲んでみた。

 酒蛙「さっぱりとした口当たり。キレが良い」
 Y 「蔵出ししてから2年たっている酒とはおもえない。これ、いいよ。管理が良かったんだね」
 酒蛙「物置で保管していたんだってさ」
 TU「甘みと酸を感じる。水の如しの飲み口。後味が残る」
 酒蛙「旨・酸・辛が良く出ており、余韻に渋みと苦みを感じる」
 TU「アルコール臭を感じる」
 酒蛙「この酒、悪くないね。クラシックタイプのミディアムボディか」
 Y、TU「飲んでいたら、だんだん苦みが出てきた」
 TU「辛いね」

 2回とも酸と辛みを感じているので、基本的には同じテイスティング結果だとおもうが、興味深いのは、最初の開栓時に全員が昭和レトロ感的クラシカル香味を気にしていたのに、10日後には全員が気にしていなかった(感じていなかった)ことだ。開栓に伴うデキャンタ効果でそのような結果になったのだろうか。また、最初は旨みが意識の中に入ってこなかったが、10日後は旨みがはっきりと感じられた。これは多分、デキャンタ効果によるものだろう。

 蔵のホームページはこの酒を「燗良し、冷や良しの弊蔵№1の売れ筋。口に含んだ時の旨みとすっきりキレのある後口」と紹介している。

 また、瓶のラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)、精米歩合65%、アルコール分15度、製造年月2018.12」。使用米の品種名が非開示なのは残念だ。しかし、ホームページでは以下のように開示している。「日本酒度+5.9、酸度1.5、アミノ酸度1.5、アルコール度数15度、原料米 ぎんおとめ ほか、精米歩合65%、使用酵母 協会701号 ほか」。

 使用米の「ぎんおとめ」は岩手県農業研究センターが1990年、母「秋田酒44号」と父「東北141号」(こころまち)を交配。育成と選抜を繰り返し品種を固定。2000年に命名、2003年に種苗法登録された酒米。

 酒名および蔵名「月の輪」の由来について、蔵のホームページは以下のように説明している。

「源頼義、義家父子が厨川の柵に安部貞任を攻略に来た時に3万2千の軍団を偵察のため宿営させたのが現在の蜂神社にあたる場所で、蔵の近くにあります。義家は兵士、兵馬のための飲料を得るために池を掘ったそうです。たまたま9月15日の月夜に源氏の旗に描かれた日月が池に写り、金色に輝いたといい、これを見た将軍頼義は兵士一同に『これ厨川柵攻略の吉兆なり、直に進軍せん』と命を下し、17日には厨川を陥落させました。
後に陸奥守鎮守府将軍藤原秀衡がこの池を訪れ、その吉兆の話を聞いて池を円形に修理しその中に太陽と三日月を模った島を作ったのが今に残されており、これを『月の輪形』と呼んだと伝えられています。現在この『月の輪形』は紫波町の史跡に指定されております」

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