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文化

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【4514】東光 純米 上撰(とうこう)【山形県】

2021.3.18 21:17
山形県米沢市 小嶋総本店
山形県米沢市 小嶋総本店

【高校同級生からのいただきもの 全7回の➁】

 高校時代の同級生と雑談したとき「日本酒をもらってくれないか」と切り出された。彼は趣味の世界ではちょっとした有名人で、その関係で時々、各地の酒が届けられる。が、彼はある特定銘柄の日本酒しか飲まないとのことで、時々届けられるお酒は物置に鎮座し続けているとのこと。「おおっ、いただくとも、いただくとも」。いじましくも二つ返事をしたわたくしは早速彼の家に車で乗り付け、全国の7本をいただいた。

 わたくし1人でいただくのはもったいないので、酒友と2回に分け、なじみのH居酒屋でいただいた。 まず、酒友ちーたんと飲んでみた。トップは大和蔵酒造の「寿 本醸造」、続いていただいたのは「東光 純米 上撰」だった。小嶋総本店のお酒は当連載でこれまで、「洌」を3種類、「山川光男」を1種類取り上げている。「東光」は、昔からよく聞く名の酒だが、飲むのは今回が初めて、興味津々でいただいてみる。

 ちーたん「香りがいい」
 酒蛙「辛口酒だ。香りは抑えているかも」
 店主「これ、入口がいいな。あ、辛い」
 ちーたん「酸があるね」
 酒蛙「最初は酸を感じなかったけど、すこししたら酸が出てきた」
 店主「さっぱり、すっきりした口当たり。辛みと酸が感じられ、余韻は苦み」
 酒蛙「さっぱり、すっきりした口当たりだが、味がある」
 ちーたん「先ほどの『寿』同様、これも清流だが、こっちはふくよかな清流だな」
 酒蛙「最初のうちは辛みを感じたけど、次第に酸を感じるようになっていく。余韻は辛み。ざっくり言うと、『すっきり、さっぱり、クセの無い淡麗辛口酒』とおもう」
 店主「それでいいとおもいます」
 酒蛙「次第に余韻の苦みが強くなっていく」

 その10日後、今度は酒友のY、TUとH居酒屋で飲んでみた。

 酒蛙「すっきりとした辛口酒だ」
 TU「辛・甘・酸を感じる」
 Y 「直前に飲んだ『寿』より最初は酸が少ない」
 TU「ああ、おいしいねぇ~」
 酒蛙「旨・酸・辛が等分の味の割合。中でも酸が出てきた」
 Y 「うん、だんだん酸が出てくるね」
 TU「おいしいなあ」
 酒蛙「すっきり辛口酒。淡麗辛口酒。クラシックタイプのライト~ミディアムボディか。『寿』よりも辛みと苦みを感じるので、比較すると、こちらの方がしっかりとした味わいに感じる」

 直前に飲んだ「寿」は、10日間置いたことでデキャンタ効果があらわれ、味に変化が感じられたが、今回の「東光」は、基本的に味の変化はみられなかった。

 瓶のラベルのスペック表示は「アルコール分15度、原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)、精米歩合 65%、製造年月19.9」にとどまり、使用米の品種名が非開示なのは残念だ。

 興味深いのはラベルに書かれている「上撰」だ。酒造業界では「上撰」というと普通酒や本醸造のケースが多い。中でも普通酒のイメージが強い。今回のテイスティングの際、H居酒屋の店主が「『東光』は普通酒だから、最初に飲んでしまおう」と言い出したので、わたくしが「これは純米だよ」と軌道修正させた。

 それほど「純米 上撰」は珍しい。いろいろ調べてみたら、このラベルは以前「東光 本醸造 上撰」というスペックで売られていた酒と同じデザインのものだった。つまり本醸造から純米にアップグレードさせたが、デザインも、上撰の通り名もそのまま、という酒だったのだ。純米にアップグレードしたとき、「上撰」も削除すれば良かったのに、とおもうが、これも蔵元さんの考えがあってのことだったのだろう。

 さて、酒名「東光」の由来について、蔵のホームページは、以下のように説明している。

「米澤城の東側、朝日が昇る方角の酒
東光は、安土桃山時代に創業し、後に上杉家御用酒屋を承った小嶋総本店が醸す日本酒です。常に第一級の品質を求め、お客様に文化的で心豊かな時間をお届けできるよう、今日も変わらず挑戦を続けております」

 どうもイマイチ分かりにくい。一方、日本の名酒事典は「米澤藩上杉家の御用酒屋であった。蔵元の所在地の旧町名“東町”から“東”の字をとり、朝日の昇るごとく光輝けという願いを込めて、“光”を足し『東光』と命名」と説明している。

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