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文化

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【4513】寿 本醸造(ことぶき)【宮城県】

2021.3.17 16:03
宮城県黒川郡大和町 大和蔵酒造
宮城県黒川郡大和町 大和蔵酒造

【高校同級生からのいただきもの 全7回の①】

 高校時代の同級生と雑談したとき「日本酒をもらってくれないか」と切り出された。彼は趣味の世界ではちょっとした有名人で、その関係で時々、各地の酒が届けられる。が、彼はある特定銘柄の日本酒しか飲まないとのことで、時々届けられるお酒は物置に鎮座し続けているとのこと。「おおっ、いただくとも、いただくとも」。いじましくも二つ返事をしたわたくしは早速彼の家に車で乗り付け、全国の7本をいただいた。

 わたくし1人でいただくのはもったいないので、酒友と2回に分け、なじみのH居酒屋でいただいた。まず、酒友ちーたんと飲んでみた。トップは大和蔵酒造の「寿 本醸造」だった。おそらくは、結婚式などおめでたい席に使われることを想定して醸しているお酒なのだろう。同蔵のお酒は当連載【1852】で、「雪の松島 秀泉 純米大吟醸」を6年前に取り上げている。この蔵のお酒を飲むのは久しぶりだ。 

 酒蛙「きれいな酒だ」
 ちーたん「清流だね」
 店主「若干、木造校舎を感じる」
 酒蛙「クセが全く無いね」
 店主「飲み口が軽い。クセが無い」
 酒蛙「甘みと苦みをすこし感じ、余韻は軽い苦み」
 ちーたん「食中酒に適している。料理の邪魔をしない」
 酒蛙「辛みと酸はあまり出ていない」
 店主「さっぱりした酒だ。飲みやすい」
 酒蛙「さっぱり、すっきり。本当にクセの無い酒だ。『寿』で、おめでたい席を想定して発売しているのだろうから、万人に受け入れられるよう、クセを無くして醸したんだろうなあ。飲み進め、酒の温度がすこし上がってきたら、辛みがすこし出てきた。淡麗酒だ」

 その10日後、今度は酒友のY、TUとH居酒屋で飲んでみた。開栓し、10日後のため、デキャンタ効果で味わいが微妙に変わっていた。実に興味深い。テイスティング結果は以下の通りだ。

 酒蛙「旨い。旨みと酸を感じる」
 Y 「旨い。旨いっすよ、これ」
 酒蛙「非常にすっきりとした酒質」
 Y 「旨みと酸を感じ、苦みもちょっと出ている。いいんじゃないすか、これ」
 TU「おいしい。すっきりした飲み口で、酸があり、ちょっと辛み」
 酒蛙「淡麗旨口酒かな」
 Y 「すっきりとした口当たりの酒だが、辛みはさほど出ていない」

 瓶のラベルのスペック表示は「アルコ―ル分15度、原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)、精米歩合65%、製造年月20.11」。この蔵では「寿 こも樽」「寿 角樽」も販売している。

 ところで、宮城県中央部のの大和蔵酒造が、なぜ「雪の松島」という主銘柄酒をつくっているのか、以前から不思議におもっていた。内陸の大和町と海の松島がどうにも結びつかなかったからだ。

 仙台市の酒販店「やまや」のサイトを見たら、その謎がなんとなく分かったような気になった。そこには以下のように書かれていた。「大和蔵の前身は、山形県高畠町で、寛政10年創業以来、180余年の伝統と歴史を持つ老舗の蔵でした。現在の宮城県大和町に移転したのは平成8年のこと。この移転を機に、醸造所の商号を、地名にちなんで『大和蔵酒造株式会社』と改め、近代的な日本酒醸造プラントを建設しました」。蔵の名に地元の町名を使い、酒名は宮城県で一番有名な観光地の名を、と思考したのではないだろうか。わたくしは、勝手にそうおもう。

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