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汐留鉄道倶楽部

鉄道発祥の地、東京・汐留にある共同通信社の記者、カメラマンが書いた鉄道コラムのコーナーです。リニア、新幹線からSL、路面電車まで幅広く取り上げます。鉄道ファンの熱い思いをお届けします。

キハ222を「ご神体」に 

2017.12.1 11:00
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(上)第三セクター化される前、茨城交通時代の2007年に撮影したキハ222。夕日を浴びて美しい姿、(下)今のキハ222。窓に「おつかれさま ありがとう」の紙が貼られているが、ホームからは近づけず、展示しているわけではないようだ
(上)第三セクター化される前、茨城交通時代の2007年に撮影したキハ222。夕日を浴びて美しい姿、(下)今のキハ222。窓に「おつかれさま ありがとう」の紙が貼られているが、ホームからは近づけず、展示しているわけではないようだ

 茨城県ひたちなか市の勝田駅と阿字ケ浦駅を結ぶ第三セクター、ひたちなか海浜鉄道・湊線は、貴重な国鉄型気動車(キハ205、222、2004、2005)の「聖地」だった。しかし、今も現役なのはキハ205だけで、ほかの3両は2015年に引退。そのうちの1両、キハ222を「ご神体」にした鉄道神社を建立しようという動きがあると知り、7年ぶりに訪問した。

 上野駅から常磐線特急「ひたち」で1時間20分。E657系の快適な乗り心地を堪能しつつ勝田駅に着いた。JR東海からやってきた現在の主力車両、キハ11―5に乗って終点の阿字ケ浦駅へ。再会したキハ222は、2005とともにホームに留め置かれていた。

 潮風にさらされてブルーとクリームの塗装はすっかり色あせ、ところどころはげ落ちている。1962年に製造されて北海道の羽幌炭鉱鉄道で活躍した後、同線の廃止に伴い71年に湊線にやってきた車両。何度も通って撮影していただけに、ちょっと悲しい気持ちになった。

 そんなキハ222を「ご神体」としてよみがえらせる計画を進めているのが「三鉄ものがたり実行委員会」。三鉄と聞くと三陸鉄道が思い浮かぶが、ここでは「ひたちなか海浜鉄道」「鉄道模型」そしてご当地B級グルメの「那珂湊焼きそば」を作る「鉄板」の三つの鉄で「三鉄」だそうだ。湊線の主要駅、那珂湊駅からほど近い那珂湊本町通商店街の空き店舗(「秘密基地」という名の活動拠点)には、自由にNゲージ車両を持ち込める大きなレイアウトがあった。

 鉄道神社の建立は、同委員会が取り組んできた商店街活性化の起爆剤として発案された。長野県のJR小海線野辺山駅の近くにはSLの車輪をご神体として祭っている鉄道神社が存在するが、同委員会によると、車両そのものをご神体にするのは「世界で初めて」。

(上)三鉄ものがたりの拠点「那珂湊第壱車庫」には、早くも鉄道神社の「のぼり」が。隣の空き地も神社の候補地の一つという、(下)セイタカアワダチソウの花道をゆく2008年のキハ205(前)。この車両も今はすっかり色あせ、那珂湊駅の車庫で眠っていることが多い。ちなみに後ろのキハ2004は福岡県の平成筑豊鉄道に譲渡された
(上)三鉄ものがたりの拠点「那珂湊第壱車庫」には、早くも鉄道神社の「のぼり」が。隣の空き地も神社の候補地の一つという、(下)セイタカアワダチソウの花道をゆく2008年のキハ205(前)。この車両も今はすっかり色あせ、那珂湊駅の車庫で眠っていることが多い。ちなみに後ろのキハ2004は福岡県の平成筑豊鉄道に譲渡された

 代表の佐藤久彰さんは「車両を持ってくるだけではつまらない。パワースポットにしようと考えた」と話す。署名活動も実施し、8月から9月だけで県内外から2500を超える賛同が寄せられた。「こんなに集まるとは思わなかった。鉄道ファンは熱い」と佐藤さん。署名を大きな力に、早期実現を目指して用地の確保や資金集めなどに当たっていくという。

 海浜鉄道側も、社長がホームページで前向きなメッセージを発信している。阿字ケ浦駅から国営ひたち海浜公園までの延伸計画とともに、このユニークなアイデアが実を結ぶことを願いたい。

 ☆藤戸浩一 秘密基地にお邪魔した後、歩いても近い「那珂湊おさかな市場」へ行ってみた。旅番組でもよく取り上げられているとあって、土曜日のこの日は観光客でごった返していた。鉄道神社が賑わう下地は十分にある。

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