【4913】田酒 純米70 華想い(でんしゅ)【青森県】

2022年09月24日
酒蛙酒蛙
青森県青森市 西田酒造店
青森県青森市 西田酒造店

【B居酒屋にて 全8回の⑦】

 B居酒屋で先だって、2カ月に1回の異業種間利き酒会「TU会」の例会が開かれた。そのときはメンバー全員が6種類の酒を飲んだが、冷蔵庫を見ると、わたくしが飲んだことのない酒がまだまだ並んでいた。それらを飲むべく、例会から3日後に再びB居酒屋の暖簾をくぐった。

「誉池月」「無想」「花垣」「京の春」「夏ヤゴ」「光栄菊」と飲み進め、次にいただいたのは「田酒 純米70 華想い」だった。西田酒造店のお酒は飲む機会が多く、当連載でこれまで、非常に多くの種類を取り上げている。

 今回、ユニークだとおもったのは、酒造好適米「華想い」を精米歩合70%で醸したこと。使用米の「華想い」は、青森県農林総合研究センターが、「山田錦」に匹敵する酒米をつくろう、と1987年、母「山田錦」と父「華吹雪」を交配。選抜と育成を繰り返して品種を固定。2006年に品種登録された酒造好適米。

「山田錦」に匹敵する酒米を目指しているため、醸造各社がこれまで「華想い」を使って醸したお酒は、精米歩合55%以上の高精白および吟醸仕込みがほとんどとなっている。そこに開発元の青森県からの指導・要望があったのかどうかは分からないが、一貫して高精白の使い方をされてきたのは事実だ。そのような状況下にあって「華想い」を低精白の精米歩合70%で醸すのは、極めて珍しい。前段でわたくしが「ユニーク」と言ったのは、そこにある。さて、いただいてみる。

 酒蛙「やわらかで、軽めの口当たり。甘旨酸っぱい味わい。余韻は軽い苦み。ジューシー感がある」
 仲居さん「甘ったるさが無く、すっと入ってくる」
 酒蛙「精米歩合70%をまったく感じさせない。きれいなお酒だ。造りが上手だ。旨いなあ」
 客Mさん「飲みやすい」
 酒蛙「モダンタイプのややライトボディー寄りかな」

 瓶の裏ラベルのスペック表示は「アルコール分16度、原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)、原料米 華想い100%使用、精米歩合70%、製造年月2022.05」。このほか蔵のブログでは「日本酒度±0、酸1.7、アミノ酸0.9」と開示している。

 酒名「田酒」の由来について、蔵のホームページは、以下のように説明している。

「『田』はもちろん、酒の元となる米が獲れる田んぼを意味し、名前の通り、日本の田以外の生産物である醸造用アルコール、醸造用糖類は一切使用していないことを力強く主張した、米の旨みが生きる旨口の純米酒です。『日本酒の原点に帰り、風格ある本物の酒を造りたい』という一念で、昭和45年に昔ながらの完全な手造りによる純米酒の醸造に着手。その後、商品化までに3ヶ年を費やし、発売は昭和49年10月1日でした」

 ラベルの「田酒」の字は、竹内俊吉・元青森県知事の筆による。