【4912】光栄菊 無濾過生原酒 サンバースト(こうえいぎく)【佐賀県】

2022年09月23日
酒蛙酒蛙
佐賀県小城市 光栄菊酒造
佐賀県小城市 光栄菊酒造

【B居酒屋にて 全8回の⑥】

 B居酒屋で先だって、2カ月に1回の異業種間利き酒会「TU会」の例会が開かれた。そのときはメンバー全員が6種類の酒を飲んだが、冷蔵庫を見ると、わたくしが飲んだことのない酒がまだまだ並んでいた。それらを飲むべく、例会から3日後に再びB居酒屋の暖簾をくぐった。

「誉池月」「無想」「花垣」「京の春」「夏ヤゴ」と飲み進め、次にいただいたのは「光栄菊 無濾過生原酒 サンバースト」だった。

「光栄菊」は、当連載でこれまで4種類を取り上げている。光栄菊酒造は、新しくできた酒蔵で、そのいきさつについて、佐賀新聞のウェブサイトが2019年12月2日付で詳しく書いているので、以下に転載する。

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 150年の歴史を刻み、2006年に廃業した佐賀県小城市三日月町の光栄菊酒造が新しい経営者の下で再出発した。香川県出身の男性が建物と蔵の名前を引き継いで新会社を設立。8月末の豪雨災害も乗り越え、創業にこぎ着けた。今年は2種類の日本酒を製造し、かつて地域に親しまれてきた「光栄菊」の銘柄で、12月下旬の出荷を目指す。
 東京でテレビ番組の制作を手掛けてきた日下(くさか)智(さとし)さん(53)が酒蔵跡を購入し、昨年12月に会社を立ち上げた。制作した番組は経済や農業分野が多く、輸出が堅調で潜在需要が見込まれる日本酒の伸びしろを感じて独立を決めた。
 佐賀県内の建築家から物件を紹介してもらい、傷みがひどかった屋根は全て張り替えた。貯蔵タンクや絞り器などの設備を一からそろえ、冷蔵施設も新たに設けた。8月末の豪雨でこうじ菌を繁殖させる「こうじ室」が浸水し、大幅な改修を迫られたが、佐賀銀行などから融資を受けて酒造りの環境を整えた。
 元NHK職員で知人の田下裕也さん(38)と2人で創業し、大阪や愛知の酒蔵で経験を積んだ杜氏(とうじ)の山本克明さん(42)が酒造りを担う。山本さんの日本酒は酸味とうまみがあり、切れ味のよい口当たりが特徴という。
 従来の光栄菊酒造は1871(明治4)年、現在の佐賀市富士町で創業した。北山ダムの建設に伴い、1952年に現在の場所にあった蔵を買い取って営業を続けてきたが、需要の低迷などで20年ほど前に酒造りをやめ、06年に廃業した。
 建物の一部を使って漬物の製造を始め、5代続いた蔵を維持してきた合瀬健一さん(67)は「ここで酒を造りたいという人が現れるとは思いもしなかった。最高の形で蔵が生き返った」と喜ぶ。
 年末の最需要期に向けて仕込みは本格化し、今年は一升瓶換算で約4600本の製造を目指す。日下社長は、会社の設立時から助言をもらい、温かく迎えてくれたという県内の同業者に感謝し「地域の活性化に貢献する意気込みを持って、皆さんに喜ばれる日本酒を届けたい」と話す。

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 杜氏の山本克明さんは、「菊鷹」(愛知県稲沢市)の名を高めた名杜氏として知られる。甘旨酸っぱい濃醇フルボディー酒の「菊鷹」は、わたくしの大好きな銘柄の一つ。この味をつくった杜氏が新天地に移籍したとは。かなりの驚きだった。さて、今回のお酒をいただいてみる。

 仲居さん「一瞬、とろみを感じる」
 酒蛙「甘旨酸っぱい味わい。中でも酸がいい。はじけるような、はつらつとした酸だ。酸味酒大好き人間のわたくしとしては、もうたまらない!」
 仲居さん「うん、酸がいいね」
 酒蛙「酸がいいので飲み飽きしない。やわらかな口当たり。フレッシュ感あり。余韻は苦み。この苦みがいい。これは旨い。モダンタイプのミディアムボディ。さっぱりさわやかで飲み飽きしないので、夏酒にぴったりだ」

 酒屋さんのサイトによると、酒名副題の「サンバースト」は、「サン」(太陽と酸を掛けたもの)「バースト」(爆発)という意味なんだそうな。まさに酸が爆発するような酸の出方だ。

 瓶の裏ラベルのスペック表示は「2021年度醸造、原材料名 米(国産)米麹(国産米)、アルコール分15度、製造年月2022.5」にとどまり、特定名称の区分、精米歩合がいずれも非開示なのは残念だ。食品表示が細かく開示されている時代の流れにあって、消費者(飲み手)のために、これらの開示をお願いしたい。